●英ポンド/円相場は、昨年11月中旬以来の高値となる123円台まで値位置を切り上げている。2月8~9日のイングランド銀行(英中央銀行)金融政策決定会合(MPC)では、資産購入プログラムの拡大が決定した。ただ、それ以上に日本銀行がサプライズとなる追加緩和策を発表したことが材料視されており、ポンド買い・円売り優勢の展開になっている。

●MPCでは、資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド(約6兆円)拡大する方針が示された。2,750億ポンドから3,250億ポンドまでの引き上げになるが、マーケットでは「予想通りの結果」と冷静に受け止める向きが多い。イングランド銀行は、「金融政策面からの継続した刺激策とあいまって、インフレ低下に伴う実質所得の緩やかな増加が支えとなり、年内に経済成長は段階に強くなっていくだろう」との声明を発表している。「短期的な成長見通しは弱いものとなっており、経済の大幅なスラック(たるみ)は長期化する公算が大きい」との警戒感も示しているが、積極的な緩和政策で対応する方針が再確認された形にある。

●もっとも、金融緩和という意味では、日銀のインパクトの方が大きかった。追加資産購入に加えてインフレターゲットを設定するというサプライズが、円売り圧力に直結している。資産購入規模の小ささ、インフレターゲットが1%と低水準に留まっているため、マーケットは日銀のデフレ脱却方針がどこまで本気かを把握しかねているが、日銀の金融政策が大きな転換期を迎えていることは間違いなく、ポンド安・円高トレンドが修正を迫られている。日銀がデフレ脱却方針への傾斜を強める中、その本気度が確認されれば円高トレンドに終止符が打たれる可能性もあるだけに注意が必要である。緩和規模を考慮すれば、まだ円安トレンドへの転換を判断するのは時期尚早とみているが、対ポンドに限らず円買いには慎重スタンスが求められ始めている。

●今後1週間の予想レンジは、121.00~124.50円。