●英ポンド/円相場は、12月14日の120.30円をボトムに、足元では122円台前半まで切り返す展開になっている。欧州債務問題を巡る先行き不透明感は根強いも、欧州債市場が比較的落ち着いた値動きになっていることで、ポンド売り・円買い圧力が一服している。特に積極的にポンド買いを進めるような材料は乏しいものの、リスク回避のパニック状態が一服していることが素直に好感されている。
●12月21日には、8日に開催されたイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の議事録が公開された。同会合では資産購入枠の現状維持が確認されたが、それが全会一致であったことが明らかになっている。MPCは資産買い取りプログラムの規模を10月に750億ポンド拡大して2,750億ポンドとしているが、現行枠の消化が終わる来年2月までは特に大きな修正は行われない見通し。ただ、「11月に公表された物価報告で示されたインフレへのリスクバランスは、資産購入プログラムの一段の拡大が将来的に正当化される可能性を意味する」との一部メンバーの指摘も報告されており、来年の量的緩和拡大の流れそのものには変化がないだろう。イギリスは、ユーロ圏の債務問題と一定の距離を保っているが、インフレ圧力の緩和と厳しい経済環境が、新たな金融政策対応の必要性を高めている。これは、当然にポンド相場の上昇余地を限定することになる。
●一方、欧州債務問題に関しては目立った進展が見られない。欧州中央銀行(ECB)の3年物資金供給に対しては、欧州の金融機関から予想を大幅に上回る応札があり、市場予測2,930億ユーロに対して4,890億ユーロに達した。これによって金融不安が後退していることは間違いないものの、融資拡大や欧州債購入につながるのかは疑問視する向きが多く、リスク投資環境の本格的な改善には至っていない。既にクリスマス、年末・年始の休暇モードに入りつつあるが、欧州債務問題を巡る混乱状況は来年に持ち越される可能性が高まっている。リスク回避の文脈でも、ポンド安・円高トレンドに変化はないだろう。
●今後1週間の予想レンジは、121.00~123.00円。