宇多田ヒカルfeat.在原業平
よのなかに
先日ね、久々に見たんですよ。
たえてさくらのなかりせば
はるのこころは
のどけからまし
古今和歌集より、在原業平による歌の一つ。あまりにも有名なそれですが、私はこの歌が大好きです。好きな歌番付を作るとしたら五指に、否、三役に入る程とも云えます。
恐らく一般的な高等学校を卒業している方は聞いたことがあると期待したく、またそうでなければ古典の先生方に対して非常に残念な心地がするところではありますが、念の為簡単に意味を書くと、
この世に桜なんてなかったら、僕らは春をどんなに穏やかに暮らせただろう。
ぐらいでしょうか。ほんとごく簡単に書くと。これはあくまで“意味”ですね。つまりこれには解釈が必要で、和歌はその性質上、限られた文字数の中に意味を籠めなければならないためにどうしても色々な事項の省略がなされます。もちろんそれも日本の奥ゆかしい文化ですが。
業平が伝えたかったのはつまりヴィジュアル系ロックバンドの歌詞っぽく解釈すると、
嗚呼、この広い広い世界に
美しい美しい貴方という花が咲いた
僕らはただ その笑顔を失いたくなくて
見つめているだけで苦しいよ
いっそ貴方に出逢わなければよかった
それがどんなに寂しくても
貴方を思って涙することが
何よりも切ないから
といったところでしょうか。伝わったでしょうか。自分自身書いていてよくわからなかったので、まぁ気になる方は各自ググるなり何なりお願いします。
話はここで終わりじゃなくて、
実はこの歌には続きがあるんです。
ヴィジュアル系ロックバンドの方じゃなくて。業平オリジナルバージョンの方。ただ業平氏本人が詠っていないため正確には“続き”とは申し上げづらいんですが、こちらもなかなか趣深い。
曰く、
散ればこそ
いとど桜はめでたけれ
憂き世になにか
久しかるべき
もう古文の先生がワクワクする程テストに頻出の文法表現のオンパレードなわけですがそんなんスルーするとつまりこの歌の意味としては、
散るからこそ桜はこんなにも美しい。暗いこの世界に永久のものなどあるだろうか、いや、ない(反語)。
つまりその、わかりますかね。伝わってます?伝わってる方、[イイネ!]押しといてください。
まぁ例のごとくこの歌についても解釈を述べるんですが、これ一言でいうと
一期一会。
おはようございます。ご挨拶が遅れましてすみません。しごつーです。ご無沙汰をしております。最近お陰様で小忙しくさせていただいております。
つまりその、「一期一会」ってこういうことなんですよね。或いは最近はもはや誤用の方が改めて正しい意味になってしまっているのかもしれませんが。
いま風に云えば「今でしょ!」っていうやつなんじゃないでしょうか。
咲いた花びらが美しいのは、それがその瞬間にしか見せることのできない輝きを放っているから。
「一期一会」ってつまり、まぁ読み下すだけなんですけど「一生のうちで、その瞬間にしか出会えないもの」っていうことなんじゃないでしょうか。っていうかそういうことなんです。
で、桜。
業平さんは即ち桜がいつ散ってしまうのかと気をもむことに心をいためたわけなんですが、そのあとに続く歌は、その気持ちまでも愛した。これ、どちらもひっくるめて本当に素敵な愛の形なんだと思うんです。
これをうまくPOPに歌っているのが宇多田ヒカルさんの「Addicted to you」。
つまり、
「別に会う必要なんてない」
=世の中に絶えて桜の無かりせば
「電話代かさんで迷惑してるんだ」
=春の心はのどけからまし
「会えないからって死ぬわけじゃないし」
=憂き世になにか久しかるべき
「会えない日の恋しさも 側にいる愛しさも 同じくらいクセになるんだ」
=散ればこそいとど桜はめでたけれ
っていうことなんじゃないでしょうか。ちょっと後半かなりムリクリねじ込んだ感じはしますが、こう読めたらステキなんじゃないかなー、って思います。これお読みになっている国語教員の方、是非お使いください。
まぁ時期的に今書くような話でもないんですが、夏が終わってゆく寂しさに思いをはせてみたわけです。
先日ね、久々に見たんですよ。
これクワガタじゃないよね!?
カブトムシだよねぇ!?なんかレアじゃね!?Σ(・□・;)レアなやつだよねコレいやマジでΣ(・□・;)
夏は、もう終わってしまうんでしょうかねぃ。
んじゃまたな(・Д・)ノ
MC452