謎解きはディナーのあとで | MC452 オフィシャルブログ 「大都会での粋な日々」 Powered by Ameba

謎解きはディナーのあとで

キャッチーなことをやるのが一番なんでしょうね。



おはようございます。しごつーです。



なんか余計な話もいろいろしようかと思ったんですが、このカテゴリは後で自分で見返す場合があるんで真面目モードで参ります。それにしてもLifeって今月どうなの?やんないの?



今回ご紹介するのはこちら


謎解きはディナーのあとで

『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉 小学館 2010年9月7日



発売半年でmillion売れてるらしいですね(い抜き)。続編もだいぶ売れたみたいですが。フジテレビ系列にて櫻井翔さん、北川景子さん主演でドラマ化された方をご覧になってご存知の方も多いことでしょう。というより、まぁ原作がだいぶ売れていますのでね。だいぶと読んでいる方もいらっしゃることでしょう。



が、



私そんなんむっちゃ嫌いなんですよ。



なんて云うんでしょうね。「話題だから」「みんなが云うから」みたいの。すっごい嫌なんです。変なのが好きなんです。2とか出るやつあんま好きじゃないんですよ。マンガで云ったら2ケタ出たらもうだめですね。いやダメってこたないけど、5巻ぐらいで終わっちゃうようなやつが好きなんです。



ということもあり、正直敬遠していました。



名前は知ってたんです(い抜き)。なんとなくドラマをやっていたのも知ってたんです(い抜き)。もっと云うなら’10年だか’11年だかの小・中学生、高校生を対象として行われた「この一年で読んだ本」アンケートで女子を中心にズバ抜けて票を取っていたのも知ってたんです(い抜き)。あ、ちなみに『恋空』もだいぶ若者に読まれているみたいなんですが、そちらはまだ読んでません(い抜き)。



もう正直これ読まないで死んでも大して後悔は無いかなーなんて思ったんですが、



目に入ってしまったんですよ。



表紙が。



ま、敢えて再掲はしないのでちょいと上にスクロールしていただければと思うんですが、なんといっても表紙イラストが中村佑介さんなんですよね(あとで調べたら中村佑介さんてけっこーいろんなとこで仕事していらっしゃるのね)。見た瞬間びっくりしました。「え、オレなんで今までこれ手に取らなかったんだろ」と。何を隠そう私アジカンさん大好きじゃないですか。高校の頃なんてバンドで君という花をコピーしたぐらいの。



ジャケ買いしました。



もちろん多く読まれているのは知っていたものの、下馬評全く聞かずに。



で、



率直に感想を申し上げます。



これね、おもしろいわ。



悔しかったです。なんか、負けたような気がして。当初これボロックソ書いてやろうと思って読んだんですが、正直悪くなかった。あ、細かいところはいろいろあるんですが。細かい話します?



全体を通して気になったのはいちいち繰り返される主要登場人物の説明でした。まぁそれもそのはずこの作品、小学館『きらら』で連載されていたものなんですね。これたぶん連載の形式だったら読んでいてすごくたのしめたんじゃないかと思います。100点の体裁ですね。すごく親切。そのため逆に、通して何個も読むとなると多少足かせとなったのはやむをえないんだな、とここは納得しました。



が、



中身ですよね。



「おもしろい」と表現したんですが、内容がこの上無くすばらしかったかと云うと、必ずしもそうではないのかな、と思いました。



ミステリ系統にそれほど長けているわけではないんですが、なんだろう、腑に落ちない部分がけっこうありました。「ん?なんで?」みたいな、100%理詰めできていない部分がわりとあって、尚且つ展開もガサガサしているというような印象を受けてしまいました。ヒントが露骨、ミスリードが露骨、といった感じ。



が、やはりこれも「連載」という体裁ゆえのことなのでしょうか。ページ数を考えてラストに持っていくにはあの情報量と展開が良かったのでしょうね。ただその割には「シルバーのジャガー」という無駄な記述が多かったように思います。謎解き(というジャンルに入れていいのかわかりませんが、)の質としては、伊坂幸太郎氏の『重力ピエロ』を読んだときのような爽快感はありませんでした。



ま、ただ全体としてはすごく楽しめました。これほんとに。まずもって登場人物のわかりやすい構図ですね。バカな主人公とさらにバカな上司、そしてズバ抜けて賢い相棒。しかも本作ではそれが執事という立場になっているのも見事です。どれをとってもベタ中のベタですね。相反する2つを併せ持たせる、という。セーラー服と機関銃以来ずっと受け継がれているスタイルです。富豪の御曹司なのに警察官、若くして警部の肩書きを持つのにアホ、社長令嬢なのに警察官、そして反抗的な執事。



あとこれは蛇足なんですが、国立市どんだけ金持ちいんだよドンッっていう。



たぶんにこれ関西の方が読んだら国立市に対してすごくキラキラしたイメージを持たれてしまうかもしれないんですが、実際国立市そんなじゃないっスから。決してさびれた街ではないしすごくお上品なところだとは思うんですが、ちょっとまぁ、うん。



あとイメージについてはこれもまた余計な話なんですが、



影山は櫻井くんじゃなくね!?



いや、ほんとに。ドラマ1秒も見てないんであまり勝手なことを申し上げるのはあやぶまれるんですが、もっとタッパあってスマートな人いたでしょ。北川さんだったり椎名桔平さんだったり、他のキャストは実に素晴らしい人選だと思うんですが、にしても影山・・・。いや、決して嵐が嫌いなわけでも櫻井くんが嫌いなわけでもないし、なんやったらもうカラオケでLove so sweet歌っちゃうぐらい嵐は好きなんですが(えっ、櫻井くんは?)、ちょっとドラマの方は見ないでもいいかな、という心地がします。



えぇー・・・、そうですね。毎回読書感想文を書くときには私の思うその作品のパンチラインをご紹介しているのですが、



今回特にありません。すみません。これまでパンチラインとしてご紹介しているものはどれも読んだ瞬間に総毛立つような衝撃に襲われた文字列なんですが、今回はそんな感覚が無かった、というのが率直なところです。まぁミステリですからね。感動とか教訓とかメッセージみたいなものは薄くなってしまうものなのかもしれません。あるいはそれをひっそり隠し持たせるものをこそ極上のそれと評することができるのやもしれませんが。



そうですね、でもまぁ続編も読んでみようかな、と思いました。すごく読みやすかったので。小・中学生にバシバシ読まれている、というのも頷けます。やはりお子さんには本を読ませるのがよいと思います。「本読まないと、バカになるから」とは私の恩師のお言葉ですが、まさにその通りであると考えます。本作などはそれこそバシバシ売れているんで恐らく全国のブックオフさんなどにもバシバシ置いてあるでしょう。何刷まで出ているのかわかりませんが、まだお読み出ない方はぜひ、と思います。



なんかこの記事を読み返してみると正直ズタズタに批判しているように見えてしまうかもしれないんですが、ほんと率直に良いと思ったのでご紹介した次第です。「読みやすい」というのはこれポイント高いですよ。しかも連載作品ゆえ一つ一つが短編でサクッと読めてしまう。これ素晴らしいことです。ということで以下改めて今回のご紹介作品と関連作品、書きながら聞いていたBGMをご紹介して結びとさせていただきます。



【今回の紹介作品】


謎解きはディナーのあとで


【今回の関連作品】


謎解きはディナーのあとで 2



恋空〈上〉―切ナイ恋物語




君という花



1/18 ジャガー Eタイプ ロードスター シリーズI 3.8 (シルバー)



重力ピエロ



セーラー服と機関銃  デジタル・リマスター版 [DVD]



All the BEST! 1999-2009(通常盤)(CD2枚組)


【今回のBGM】

君繋ファイブエム



んじゃまたなパー





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