8.@tsudaとわたし(Twitter社会論レビュー) | MC452 オフィシャルブログ 「大都会での粋な日々」 Powered by Ameba

8.@tsudaとわたし(Twitter社会論レビュー)

@tsudaとわたし


いい加減これを言ってもキリがないが、本当に自由に書きすぎて書籍の内容にほとんど言及できなかった。しかし、今考えるとこれも全くの必然であるように思う。この一連の記事は概ねiPhoneで書いたものであるが、もちろんその合間にはTLを確認し、また、たった今も私の眼前ではTwitter for Macが絶え間なくTLを流している。結果として私の目はそちらに奪われ、全く執筆がはかどらない、という運びであった。恐るべきTwitterの力。というわけで(?)、ここで著者に敬意を表し、最後に津田大介氏について私の思うことを綴ることとする。


前述の通り、津田大介という名前を初めて聞いたのは友人の口からだった(前後の文脈も状況も全く憶えていない)。それからというもの、その名前を気にしてはいたものの、正直のところ「なにこの金パ。うさんくせぇ」と、敬遠していた。が、ある時彼が何がしかのテレビ番組に出演していたのを見た。そこで「早稲田大学大学院 非常勤講師」という肩書きを見、一気に興味を引かれた。肩書きというものの破壊力はすごい。「ただの金髪」が、「なんだかわけがわからないがアタマ良さそうな金髪」に変わった。しかしこの男、知れば知る程興味を引かれる。もちろんすぐにTwitterでもフォローした。


端的には、彼に対し「近い感覚を持つ人がいる!」という印象を持ったことからである。それからさまざまなメディアに出現する彼を追いかけ、そして今回書籍を読ませていただき、このTwitter社会論にまつわるいわゆる私の@tsudaチェイスは明けて今日、青山学院大学にて氏の講演会を拝聴することでひとまずの区切りとなる(ちなみに、それにどうにか間に合わせるために急いでこの記事を書いているため、後半にかけて内容が薄くなっているように見えるのは気のせいである)。


元来新書が好きな私であるが、今回はやけに心に刺さった。もちろん興味のある内容であったことは確かであるが、本書は実にその著者の顔が見える良い本であったように思う。本書を読んでさらに氏への興味が深まった。そうなるとTwitterは便利極まりない。もちろんTwitter自体だけでは知ることができる情報に限界があるものの、その利用の仕方などでその人の輪郭が見えてくる。氏の運営するBlog(音楽配信メモ)にもそれがよく現れているところであるが、やはりその人の声をリアルタイムで楽しめるTwitterは魅力だ。


本書の中で、氏の上げていたTwitterの特徴を今一度整理すると、

属人性
リアルタイム性
オープン性
自由さ
ゆるい繋がり

といったところだろうか。あえてこれからさらに抽出するならば、昨今になって氏の繰り返し言うところの「ゆるふわ」のひとことが最たるものであるように思う。


私はこの「ゆるふわ」を初めて聞いたとき、正直「ふわ」は余計であるような印象を受けた。しかし、氏のtweetを含め、これまでしばらくの間自分のTLと向きあってきた結果、やはりただ「ゆるい繋がり」と表現するより「ゆるふわ」の方がまさにぴったりの表現であるように思えてきた。騙されたような気分、というのはこういうことを言うのかもしれない。


とりわけ本書、及びそれにまつわるさまざまなメディアチャンネルを通して氏よりお勉強させていただいたことは多い。何事にも斜に構える癖のある私は、たいがいのレクチャー本やセミナーに対して、「当たり前じゃん」と捨て台詞を吐いて終わらせてしまうことが多かったのだが、Twitter社会論については私にとって革新的な目線での意見が多かったように思う。とりわけ印象に残っているのは、マネタイズに関する話だ。


もちろん「マネタイズにこだわらなければならない」ということについては当たり前なのだが、例えばBlog記事のそれについて「日本には、アドセンスをクリックしてあげよう、という意識が少ない」という部分。「確かにオレ無かった!!」と目を見開いてしまった。言うまでもなくその日から、いろんな人のBlogサイトにあるアドセンスをすすんで(過剰に、という意味では決してなく)クリックするようになった。


ジャーナリストという人間の性質、はたまた新しい物好きという性格から来るのだろうか、やはり「日本人にはまだない感覚」というのを見るとグッとくるところがある。逆に言うと氏が先日言っていた、「アメリカのシンポジウムでTwitterで実況中継をする(tsudaる)ことについて話していた外国人の会話が聞こえた」という話なども興味深い。Twitterについてはもう散々書いたのでもう放っておくが、やはり広い視点で様々なものを見ることが大切であるように思う。この一環として、氏はTwitterを十二分に利用しているいわゆるTwitter上級者と言えるだろう。ただひとつ疑問なのは、Twitterやその周辺機能を驚くほどうまく利用しているわりに、ここのところ上述のBlogを全く更新していないことである。「マネタイズを貪欲に」と言うなら、どうにかこうにかして簡単にBlogにもリンクさせるような仕組みを作って少しでもこれを収益とするのが賢い方法なのではなかろうか。さてはTwitter効果、または書籍効果によってオシゴトが儲かっているため、おサイフが満足していらっしゃるからだろうか。明けて今日、チャンスがあったら聞いてみようと思う。


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Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)/津田 大介