2.Twitter基本講座(Twitter社会論レビュー) | MC452 オフィシャルブログ 「大都会での粋な日々」 Powered by Ameba

2.Twitter基本講座(Twitter社会論レビュー)

Twitter基本講座


さて、まずは「Twitter」とは何なのかという話からしなければならないわけであるが、ひとまずある程度Twitterを利用している読者にとってはこの章は退屈になるかもしれないし、単純に体系的に「Twitterとは何か」を知りたい方にも、はっきりと申し上げてこの記事は助けになれないかもしれない。


なぜなら、Twitterとは何かを私が説明すると、一行で言うなら「140文字のミニブログ」という、雑誌の小見出しのような説明になるだろう。これではどこのhow toとも差異が無い。


もう一行足すとするならば、「ゆるやかな繋がりをもった、自由なメディア」。本書を読んだ方にはわかるだろう。津田大介氏の受け売りであるわけだが、まさにこの言葉に尽きる。


「ゆるやかな」という部分が実に言い得て妙である。フォローは一方通行。リムーブやブロックも自由。リストも含め、受ける側の承認が一切不要。これだけをみるとものすごく「垂れ流し」的な媒体に見えてしまうやもしれないが、もちろん特定のアカウントをブロックすることも可能。もちろんブロックされたユーザーが新たなアカウントを作ってまた絡んでくることも考えられるので現段階で100%プライバシーの確保はできないのかもしれないが、そこが「ゆるやかな」Twitterの良さでもあるように思う(この記述については不快感を覚える方がいるやもしれないが)。


例えば渋谷にいる時に、「渋谷なう。」とtweetしてもよいし、しなくてもよい。もちろんそれに位置情報や写真を添えるか否かも全てユーザーの任意である。これについては既存SNSにも同じことが言えるが、Twitterの利点は「閲覧も返信も自由である」ところにあるように思う。


「渋谷なう。」を見ている人もいれば、そうでない人もいる。mixiのように足跡が残らないため誰が見ていて誰が見ていないかもわからないという「ゆるさ」の上に、そのtweetにもし返信、例えば「あたしもー!RT@mc452:渋谷なう。」といったmentionが来ていても、これを見るか否か、そして返信の是非も全て任意なのである。


今までこんなソーシャルメディアがあっただろうか。私の今まで見て来た限り、メディアは一方通行の形をとったそれと、双方向のコミュニケーションを目指したそれに二分化される。後者にあたるのが既存SNSであるわけだが、Twitterは一言で言うと「一方通行であり、双方向」という形をとった、まさしく新しい形をもった「ゆるやかな繋がりのSNS」であるという、氏が論じていたのはまさにこのことではなかろうか。さらに私が換言すれば、Twitterは既存SNSとは全くかけ離れている。言わば最早SNSではない。


今までのSNSは、「mixiの○○が○○になった感じで、」とか「Facebookより軽いんだけど、」とか、既存のそれと比較することで説明ができた。しかし、Twitterを説明する際に既存SNSを例示することは、ハッキリ言ってナンセンスだ。というより、それにはすさまじい説明能力と聞く側の理解力を要するように思う。即ち、総じてTwitterを手元に置かずにそれについて説明することは、相当困難を極める。多くの経験を積み、取材やリサーチを重ねた作家先生たちならまだしも、一介のラップミュージシャンにそれができようか。良識のある読者の皆さんには火を見るより明らかだろう。


冒頭で「Twitterとは何か」を知りたい方の助けになれないと言ったのはこのためで、それを知るにはTwitter社の説明を聞くよりも、ハッキリ言って津田大介氏をはじめとする種々の作家先生たちが書いた小難しい説明を読むよりも、ましてやこの記事を読むよりも、実際にそこに入ってみるのが一番の近道である。そうするとある時点で、なるほどTwitterについてそれを使わずして説明するのがいかに困難であるかを実感して頂けるだろう。


「Twitter基礎知識」と仰々しい章題を打っておきながらその詳細についてほとんど言及していないことをここでお詫びするとともに、Twitterをこれから始める方々には@mc452をフォローしていただければ私がその楽しみを知ることについて協力することをお約束する。もちろん私よりもっと有益なアカウントは沢山いるところではあるが、それがせめてもの気休めとなれば。


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Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)/津田 大介