いよいよ今週末、Jリーグの2016年シーズンが開幕します。昨年末から、私にとって、そしてファジアーノ岡山にとって「勝負の年」だと公言してきた、そのシーズンが始まります。私のサッカー人生の全てを賭けた挑戦。大袈裟かもしれませんが、そういうシーズンだと思っています。

今年も始動してからここまで怪我なく過ごしてきました。鹿島を離れてから2年と少し。私の体は確変を起こしたかのように、怪我どころか、ほとんど張ったりすることもなく自分のベストを更新し続けている感触があります。

鹿島の最後の年に自分のサッカー人生に悩みながら、どこかしら怪我を抱えていた時と重ねて考えると、いかにフィジカルがメンタルと直結しているか、そして、今苦しいながらも楽しい経験ができていることを実感できます。

とは言っても私ももう34歳。残された時間は確実に短くなりました。いつまでも夢物語の中にいられるとは思っていません。覚悟を決めて今年、私に与えられた使命をまさに命懸けで全うしたいと思います。

すみません。開幕前はいつも必要以上に熱くなります。

今週末で開幕はしますが、シーズンはとても長いものです。特にJ2はナビスコ杯やACLと並行して戦うJ1と違い、日本代表の試合による中断もなく、1年間あまりペースが変わらない長距離走のようなリーグです。スタートダッシュも大事ですが、それ以上にしっかりと足元を固めて一歩ずつフォームを崩さず走っていくことの方が大事です。目先の結果を求めつつ、冷静に戦局を読むバランス感覚をもってシーズンに入っていこうと思っています。

さて、1年間で最もフィジカルがきつい時期を乗り越え、ここからはフィジカルと共にメンタルをすり減らしていく、サッカー選手の日常が始まります。毎年毎年、このプレッシャーが嫌になりながら、その先に待つ、いつ訪れるか分からない「この日のためにやってきた」と思える瞬間のために続けてきました。

私のその瞬間はもうサッカー人生であと一回訪れるかどうかでしょう。いくら種を蒔いても、それが今年花開いてくれるかは分かりません。ただ、いつかサポーターの皆さんが2016年を振り返った時、本気でファジアーノ岡山の昇格のために力を尽くした男たちがいたと語り合ってもらえるような、そんな熱い一年にしたいと思っています。