34歳になりました。たくさんのお祝いメッセージ、ありがとうございます。

小さい頃、父や母の誕生日に「おめでとう」と言うと、父や母は「もう誕生日はどうでもよくなったけど、ありがとね。」と言っていて、子供心にそんなものなのかなと不思議に思っていましたが、私もその気持ちが分かる歳になりました。

誕生日になって思うことは、可愛い娘がどういうお祝いの仕方を見せてくれるかなということと、私を産んで育ててくれた両親に電話しておこうということくらい。特に、33と34はなんとなくそんなに違わない数字に感じるので、自分自身の中の心境の変化は、これまでの誕生日の中でも最小限かもしれません。

ただ、先を見渡せば、35歳、36歳、37歳という未来が待っていて、サッカー選手にとっては、ここからは一年一年が漏れなく転機になっていくのだろうと、いろんなことをリアルに感じたりしています。

私は心配性でネガティブで悲観的な人間です。いつも期待より不安が、成功より失敗が先に立ちます。だから、できるだけ『「その時」が過ぎてしまって、あの時が「その時」だったのかと思いたくない』と思って生きています。

つまり、「悔いが残ることがあっても、後悔はしないように生きよう」と決めています。時に生き急いでしまったかなと思うこともありますが、高校三年生の時に決めた、この自分との約束をいつも心に刻んで、人生を選択してきました。

34歳で迎える2016年シーズンの開幕まで、あと1ヶ月を切りました。昨年から何度も口に出していますが、今年はファジアーノ岡山にとって、そして私にとって勝負の年だと思っています。

2016年も一月が過ぎ、それは間違いないことだという確信になってきています。クラブとサポーターとスタッフと選手と。それぞれが本気でファジアーノのことを考え、小さいことから具体的に「ファジアーノのJ1昇格のため」を持ち寄って、それを積み上げていくようなシーズンにしたいと思っています。

サッカーの世界では一年一年が勝負だと言いながら、本当の勝負所は意外とそんなに訪れてくれません。私は2016年が過ぎたあとに、『「その時」だったのか』と思いたくはありません。

勝負のシーズンへの準備を進めながら、私はサッカー人生で最後になるかもしれないこの大勝負を、ファジアーノ岡山で戦えることを、今は運命(さだめ)のように感じています。