お久しぶりです。昨日の試合でJリーグ通算(J1 290+J2 10)300試合となったそうです。その試合を鹿島と同じ茨城県にある水戸で迎えることになったのは何かの縁でしょう。選手として300という数字を追いかけてきたわけではありませんが、こういった節目というのは、どこか感慨深い気持ちになるのは確かです。カップ戦やタイでの試合を含めたらどれだけの試合をこなしてきたのでしょう。これまでの決して短くはない歩みに、たくさんの方への感謝が頭に浮かびます。

と、そんなことを考えつつ、Jリーグはゴールデンウイークの連戦の真っ只中。そして、少しずつシーズンの歩みも進んでいきます。

開幕をしてからここまで、当然ながら勝ったり負けたりしてきました。サポーターの皆さんには、希望を持たせる試合も不安を抱かせる試合もあったと思います。ただ、10試合を終えて、私がここに来る前に描いていた「このクラブが持っているもの」というのは全てやはりあるなと思っています。そして、描いていた挑戦がここにはやはり待っていて、それはやはりとてもやりがいがあるものだと感じています。そういう意味で、私はサッカー人生で最も楽しんでいると言えるかもしれません。

ただ、私たちが望む結果までの道のりは、これもまた「やはり」簡単な道ではありません。思っていたよりも難しいと言えるかもしれません。簡単に勝てる試合は一つもなく、ほんの少しの差で大きな差に結びつきます。今は、ファジアーノだから作れる少しの差がどこにあるかを見極めながら、少しずつそれを増やしていきたいと思っています。

いずれにせよ、私は普通にやればJ1に上がれるようなクラブを選んだわけではありません。私は誰よりも負けず嫌いだと自負していますが、私たちに必要なのは一つの試合に一喜一憂することではなく、シーズンを通して成長していくことです。ファジアーノ岡山が目指す場所にたどり着くためには、まだまだ必要な負けも手痛い失敗もあるのだと思います。

だから、サポーターの皆さんにはぜひ勝っても負けてもスタジアムで共に戦い、私たちの歩みを共に楽しんでほしいと思います。私たちは現時点ではまだまだ下手くそで、目標に達するには値しないかもしれません。しかし、いずれ必ずそこに達するクラブだと思います。

今年のファジアーノ岡山は、そうした自分たちの成長で勝負に出ていきます。ドラマは最終回だけ見ても面白くありません。いい時も悪い時も共に歩み、私たちに想いを届け続けてほしいと思います。

さて、300という数字、290試合で鹿島を離れる時から少し考えている目標があります。それは、J2のクラブをJ1に上げて、そのクラブでJ1通算300試合を迎えるということです。それを達成した時、私は何を思うでしょうか。そしてその時、ファジアーノの選手たちはどんな成長を遂げているでしょうか。