ついにJリーグ2015年シーズンの開幕です。J2は明日開幕を迎え、ファジアーノ岡山はホーム、シティライトスタジアムで開幕戦を戦います。そこで、明日の開幕戦に向けてと言うよりも、これからのシーズンに向けての意気込みをここに記しておこうと思います。

1月の中旬に岡山人となり、少し話題になっている無人島キャンプを皮切りに、ここまで1ヶ月半、新しい仲間たちと日々、着実に準備を進めてきました。個人的にも怪我なくプレシーズンを過ごすことができ、その上で、失っていたゲーム勘や日本サッカーのスピード感を思い出すことができました。

シーズンというのはとても長いものです。特にJ2は42試合を戦う長丁場です。これから何が起こるかは全く分かりません。今は、「どのようなシーズンにしたい」とか「何を達成したい」とかそんなことを考えてもあまり意味がありません。大事なことは、その時その時に必要なこと、正しいと思うこと、チームのためになること、それをシーズンの流れに応じながら対応し続けていくことだと思います。

最近よく「経験をどのように生かしたいですか?」という質問を受けるのですが、私は端から経験を生かそうとは思っていません。大体、経験もそうですが、人が持っているものはそれを見せようとすればするほど胡散臭いものになり、頼ろうと思えば思うほど本当の姿から離れていくように思います。私が考えるべきは、日々がむしゃらに自分のベストを尽くすことで、その中で自然に経験というものは生かされていくのだろうと思っています。

私は今シーズンのファジアーノ岡山のキャプテンを任されました。責任感を持って岡山に来たつもりですが、監督から要請された時は一瞬ビビりました。そしてほぼ同時に武者震いがしました。逃げ場はありません。私が背負えるものはいくらでも背負って、覚悟をもってこの任を果たしたいと思います。

ただ、ここではタイでやっていたように、一匹狼のような存在になってチームを無理やり引っ張るやり方をするつもりはありません。その必要はないし、このチームのために正しいと思えません。私は仲間たちと共にファジアーノの戦いを積み上げていき、必要な時にだけ、チームの指針を指し示す役割を担えばいいと思っています。

これから長く苦しい道のりが始まります。ファジアーノ岡山が本当に今描く目標を達成したいなら、たくさんの湧き上がるようなものを呼び起こさなくてはいけません。それは、選手たちが見違えるように成長していくことであり、全身全霊チームのために戦っていくことであり、そして確実に勝ち点を積み上げていくことです。そしてそれは、たくさんのお客さんを呼び込むことであり、クラブスタッフ、サポーターの皆さんのファジアーノを支える、心の奥から燃え上がるようなものであり、次の歴史を本当の意味で作り上げていきたいという熱意です。私はそれらを少しずつ呼び起こしていきたいと思っています。

ファジアーノ岡山にはその可能性があると思っています。そう思ってここを選んだ気持ちは今も変わりません。思っていたより低評価な今年のファジアーノの順位予想を見ながら、「よし、やってやろうじゃないか。」と思っています。