第29回 本音で生きる人は、恩送りをする | ミスターおかっちの BLOG

第29回 本音で生きる人は、恩送りをする

 

本音で生きる人は

恩送りをする

 

建前で生きる人は

恩返しをする

 

 

「GIVE AND TAKE」

 

人から何かしてもらったら、その人にお返しをするという考え方が、僕たちのあたり前になっています。「年賀状をもらったら返事を出す」「お中元を頂いたらお返しをする」のように、モノをもらったら必ずお返しをしなければならない、それが暗黙のルールです。メールやLINEのやり取りでも、返事をするのが当たり前(LINEで既読無視されるとイライラしますよね)。

 

 

GIVE AND TAKE(ギブアンドテイク)の文化では、与えたら返ってくることが約束されています。だから、与えやすいのです。誰だって損はしたくありませんから。見返りがない状態でずっと与え続けていると、つらくなります。ずっと無償で働いていたら、生活もできません。恩を受けた相手にちゃんとお返しをすることで、その人との関係が深まっていく。わかりやすいですね。ただ、僕はそんな文化がとても息苦しかった。

 

 

「貰ったら返さなければならない。だから貰いたくない」

人から何かしてもらったり、モノを頂いたら、なにかしら返さないといけない。そう思うと、素直にその好意を受け取れなくなりました。要らないモノをもらった時は、最悪です。もらった時に「うわ~ありがとう!うれしい!」って喜ぶ演技をしないといけないし、自分の財布からお金を払ってお返しをしないといけない。完全にありがた迷惑です。いつの間にか頂きものを、心から喜べなくなりました。相手からのプレゼントを「受け取る」ことを、拒否するようになったのです。プレゼントする側は、喜んでもらおうとプレゼントしたのに、突っ返されたり、嫌そうな顔をされたら、いい気持ちはしないですよね。

 

 

「僕がこんなに頑張ってるのに、アイツは全然こたえてくれへん」

とにかく見返りがない人を憎みました。行動が見えない人を、「会議でやるって言ったやん!」って正論を振りかざして、ぶった切る。とことん追い詰めました。やったらやった分だけ返ってくることが当たり前。目先の損得勘定で判断し、見返りが期待できない人とは付き合わない。付き合って得する人だけにスリスリ。あいつは自分の利益のことしか考えてない、そのようなイメージを持たれ、人がどんどん離れていったのです。

 

 

 

恩返しを大切にする日本人

 

「建前で生きる人」は、「恩返し」をすることを大切にします。人から貰った恩は、絶対にその人にお返しをする。与えられたら、お返しするべきだ。与えたら、何かをもらう権利があると。もちろん、いただいた恩をお返しする気持ちは、相手と信頼関係を築く上で大切です。

 

 

しかし、その気持ちが強くなり過ぎると、貰うこと自体がストレスになったり、見返りが期待できないことには行動できなくなることも。GIVE AND TAKEの考え方も素晴らしいですが、もっとあなたとあなたの周りの人を幸せにする考え方があります。それが、GIVE AND GIVEN(ギブアンドギブン)、いわゆる「恩送り」という考え方です。

 

 

「いまからあなたが三人に良いことをすれば、世界がもっと良くなる!」

 

 

世界で大ヒットした映画「ペイ・フォワード」で紹介されていた、中学生の少年が考えた世界を変えるアイデアです。説明すると、あなたが三人に良いことをして、良いことをされた三人はあなたに恩を返すのではなく、また別の三人に恩を返す。それをずっと続けていけば、お互いのことを思いやれるようになり、戦争や争いもないやさしい社会になるといった提案です。

 

 

ペイフォワードを直訳すると、先払い。相手からの見返りを期待せずに、困っている人を見つけたら、自分ができることで奉仕するといった考え方。この映画を見た時に、その素晴らしいアイデアに心は動かされましたが、腹落ちしていませんでした。しかし、アメリカに留学した時に、本当の意味で「恩送り」の素晴らしさを知ることができたのです。

 

 

留学して最初の2ヶ月はホームステイをしていました。当初は、現地の小学生レベルの英語力。銀行口座を取得したり、クラスを予約したり、携帯を契約するなど、とても一人ではハードルが高すぎる。そんな時に、いつも僕のそばで助けてくれたのが、ホストマザーのエイミーでした。彼女は仕事と家事をこなしながら、語学学校の送迎、英語の課題のサポートなど、生活で起こる様々な問題を助けてくれました。

 

 

「もらったら、もらった分だけその人にお返しをしなければならない」その気持ちが人一倍強かった僕は、何も返せていない状況に対して、気が重くなりました。もちろん、家事のお手伝いやマッサージ、思いつく限りのことは全部やった。それでも、僕にしてくれていることが多すぎて、とてもじゃないですけど全部返せない。

 

 

エイミーと過ごす最後の晩餐で、エイミーに言いました。「この500ドルを受け取って欲しい。これが今の僕ができることです」しかし、エイミーは「NO!」と首を横に振り、受け取ってくれませんでした。「わかったよ、エイミー。この恩は絶対いつか返すからね。絶対にね」と、言ったら、エイミーがそれまで見たことがないくらい、真剣な顔で言いました。

 

 

「私に返すのはかんたんなこと。私には返さなくていい。あなたがここで学んだことを、あなたのことを必要としてくれる人に返してほしい。それが私が望んでいることよ」痺れましたよ。その時のエイミーの言葉を今でも忘れることができません(エイミーを会社のロゴにしました)。

 

 

恩送りの精神

 

恩送りの精神は、「ペイフォーワード」の映画で学んでいた。素晴らしいことだと頭では理解していた。しかし、根強い損得感情がそれを拒んだのです。そんだけ相手にギブして返ってこなかったらどうするねん、って。実際にエイミーによって恩送りを体験することで、その素晴らしさがわかりました。その日から僕は相手からの好意や親切心を、素直に受け取れるようになったのです。

 

 

コロナ拡大で緊急事態宣言が出て、経営がやばい!ってなった時に、110名の方から合計55万円の寄付をいただきました。僕は喜んで受け取りました。僕がやることは寄付をいただいた人にお返しをすることじゃない。一人一人が最高の自分を表現して、自分らしく生きていける社会をつくること。たくさんの喜びや幸せを生み出すこと、それが最大の恩返しだ、と。

 

 

エイミーから教わった「人に返すのではなく、社会にお返しする」という考え方を持つことで、人からの優しや思いやりを素直に受け取れるようになり、見返りを期待せずに相手に与えられるようになりました。自分ができることで、できる時にお返ししたらいい、そんな風に楽に生きられるようになったのです。

 

 

「これまで第三者に見られることがなかった『恩送り』が、インターネットにより可視化され、第三者に見られるようになったことにより、「人に送った恩が巡り巡って自分のところに更に戻ってきやすくなった」といえるのではないでしょうか?」

 

 

クラウドファンディングで国内最高額を支援してもらっているキングコング西野さんが、ブログでこのように言われていました。ネットが普及したことにより、あなたの活動を世界中の人が見られるようになりました。「かわいい姉ちゃんとデートがしたい」「外車を手に入れて自慢したい」そんな私利私欲のための行動では、支援者は集まりません。社会の問題を解決することで、困っている人が救われて、あなたを応援してくれる人が増えていきます。目先の利益ではなく、社会課題の解決。そうすれば結果的に、あなたが得られるものが大きくなります。

 

 

「どうやったら稼げるか?」ではなく、「どうやったら与えられるか? 」

 

 

見返りを求めることを手放すことで、本当に手に入れたいものが手に入ります。受けた恩は人に返すのではなく、社会に返す。恩返しではなく、恩送りをする。僕はそんな生き方をしていきたい。

 

 

 

 

あなたの夢を叶えることが

最大の恩返しだ!

 

 
 
 
つづく
 

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