鳥山石燕と水木しげる ― 目目連/百々目鬼/百目 | 無人のモグハウスで発見された手記

鳥山石燕と水木しげる ― 目目連/百々目鬼/百目

本日は、我が国の妖怪を、三例ほどご紹介いたします。いずれも目が沢山ある、奇怪な姿をしています。今回のお題は、“目目連”“百々目鬼”“百目”です。


先ず最初に目目連です。目目連は、数多くの妖怪を描いたことでよく知られる、江戸時代の絵師 鳥山石燕が、自著「今昔百鬼拾遺」で表した妖怪です。
明らかに人が住んでいるようには見えないあばら家の破れ障子に、いくつもの目が浮かび上がっている様が描かれており、「煙霞跡なくして むかしたれか栖し家のすみずみに目を多くもちしは 碁打のすみし跡ならんか」と記されています。
次に紹介する百々目鬼もそうなのですが、これらを語る伝承の類が見られないところから、古来の妖怪ではなく鳥山石燕が創作したオリジナルの妖怪と見られています。
なので、どうした特徴を持つかなどといったデータは一切なく、上記のように絵に併記された一文から窺うしかないのです。
世の研究家たちによって色々解釈はされているようなのですが、無学な私などにはさっぱりです。昔、碁打ちが住んでた家に目が沢山あるから、だからどうした。


次に百々目鬼にいってみましょう。目目連と同じく鳥山石燕が、こちらは「今昔画図続百鬼」に記しています。
笹薮の一隅に、顔を隠した女が一人立っており、左の袖を捲り上げた様子が描かれています。その左袖からすらりと伸びた長い腕には、手首までびっしりと目が開いています。
「函関外史云 ある女生れて手長くして つねに人の銭をぬすむ 忽腕に百鳥の目を生ず 是鳥目の精也 名づけて百々目鬼と云 外史は函関以外の事をしるせる奇書也 一説にどどめきは東都の地名ともいふ」とのことですが、いわゆる巾着切りというんでしょうか、どうもこの女性は盗人のようです。鳥目というのは、銅銭の通称だそうで、要は手癖の悪い女が、金の精に取り憑かれて変じた姿、ということなのでしょうか。


最後に百目ですが、こちらは彼の水木しげる先生の作品のいくつかに登場する妖怪です。
ぶよぶよと膨れた身体のいたるところ、全身くまなく無数の目を持つ、非常におぞましい姿形をしています。アニメの悪魔くんに登場した際には、愛らしいコミカルな姿に描かれていましたが、実際のところ奇怪の一言です。
この百目についても、該当するような伝承の類は見当たらないことから、水木先生のオリジナルだろうと言われています。


ヴァナ・ディールにおけるこれらの妖怪は、怨念洞のMokumokuren、イフリートの釜のDodomeki、ラングモント峠のHyakumeとして登場しています。当然の如く、いずれもHecteyes族です。
内訳は、Mokumokurenが両手鎌のWSNM、Dodomekiがただのmob、HyakumeがNMとなります。