天命の書版 ― トゥプシマティ | 無人のモグハウスで発見された手記

天命の書版 ― トゥプシマティ

最近はこのパターンが実に多いのですが、随分と昔、メソポタミア神話に語られる怪鳥の退治譚をご紹介しました。主神の証を盗み出した、ズー のお話です。


その際に軽く触れた物語のキーアイテム“天命の書版”が、先頃アイテムとして実装されたので、今回はそれについてもう少しだけ掘り下げてご説明しましょう。
本日のお題は“トゥプシマティ”です。


トゥプシマティと呼ばれるこの書版は、前述の通りにメソポタミアに伝わっていた各種神話に登場するアイテムです。

紀元前何千年というその時代背景から考えて、おそらく材質は石板か粘土板のいずれかだったのだろうと思われますが、そこには全ての神々を統べる法が記されており、これを手にする者こそが主神足り得る資格を有するとされています。
言わばメソポタミアの神々の王権そのものを象徴するものと言ってよいでしょう。


元を辿るとこのトゥプシマティ、メソポタミア神話における始祖の旧神の一柱、ティアマト の所有物でした。
彼女が、自身の息子であると同時にアプスの次に夫とした月の神キングーに対して贈ったというのが、トゥプシマティに関する最初の記述なので、あるいはトゥプシマティを創り出したのはティアマトだったのかも知れません。


ティアマトのエントリーでご紹介した通り、ティアマトら旧神一派は、エアを筆頭とする新しき神々に敗れたわけですが、トゥプシマティもこの時新神らの手に渡り、以降彼らの王座が変遷していくに従って、アヌ、エンリル、マルドゥーク、ついでにズーといった神々の手を転々としていくわけです。


ちなみにこのトゥプシマティの最終的な所有者となるのは、マルドゥークの子にして知恵を司る書記神ナブであるとされています。



トゥプシマティ/D62/隔402/天候と同属性の魔法:敵対心-20 命中+30 魔法命中率+10 魔法攻撃力アップ+20 オムニシエンスアフターマス:魔法命中率+/魔攻+/時々2回攻撃/Lv75~/学/Rare Ex



ヴァナ・ディールにおけるトゥプシマティは、学者用の両手棍ミシックウェポンとして採用されており、ナイズル島踏査指令で入手する長老の杖を強化することによって完成します。


原典は棍とは何の関係もない書版なのですが、グラフィックを見てみると杖の先には石板だか粘土板だかがはめ込まれた形状になっていますね。


レリックウェポンに勝るとも劣らぬ遠い道のりの上に、学者専用装備とあっては、実際にこれを手にする人が現れるのが何時になるのかは見当もつきませんが、入手された際はズーに持ち逃げされないようご注意下さい。