青い妖婆 ― カリアッハ・ヴェーラ | 無人のモグハウスで発見された手記

青い妖婆 ― カリアッハ・ヴェーラ

本日は、スコットランドやアイルランドに伝わる、冬の訪れを告げる妖精“カリアッハ・ヴェーラ”をご紹介しましょう。


カリアッハ・ヴェーラは、ハッグ(人喰いの“ブラック・アニス”などに代表される、魔女・妖婆の類の妖精の総称。英語の古語で、「魔女」を意味する単語)の一種にカテゴライズされる妖精です。


その名は、ゲール語と呼ばれる古いケルトの言葉で「青い妖婆」を意味しており、その名が示すように、青ざめた顔をした痩せこけた醜い老婆の姿で描かれることが多いようです。


カリアッハ・ヴェーラは、冬の到来を司る妖精として知られており、冬の間日差しが弱まるのも、雪が降るのも、彼女の仕業とされています。


晩秋になるとカリアッハ・ヴェーラは、一本の杖を持って森林や公園などを彷徨い歩き、その手にした杖で木々を叩いて回ります。
カリアッハ・ヴェーラの杖で叩かれた木はたちまちの内に落葉し、冬枯れを起こしてしまいます。


要は、季節の冬化粧に人格を持たせたものが、カリアッハ・ヴェーラという妖婆だったわけですね。


また、カリアッハ・ヴェーラは、冬季の野生動物たちの守護者としても知られており、寒期の間冬眠をせずに活動する動物たちを保護し、監督する役割を持っています。


五月祭(メーデー。五月一日)の前夜、その役目を終えたカリアッハ・ヴェーラは、手にした杖を柊の古木の下に投げ込んで、その身を石へと変じて眠りに就きます。
そしてまたあくる万聖節の前夜(ハロウィン。十月三十一日)の宵に目覚めて、活動を再開するのです。


一説によれば、この地方にある謎の巨石遺構(いわゆるストーンヘンジ)を造ったのは、このカリアッハ・ヴェーラだとも言われています。
古において彼女が道路を舗装するために、巨人の姿をとってエプロンにいくつもの巨石を包んで運んだ際に、そこから零れ落ちた石がストーンヘンジとなった、とされているのです。


ヴァナ・ディールにおけるカリアッハ・ヴェーラは、両手棍WS レトリビューション修得クエスト、“血塗られた道”において戦うことになる、イフリートの釜のSkeleton族NM、Cailleach Bheurとして登場します。


これは完全に名前を借りただけの命名であり、原典から連想されるような特性は一切持っていません。
痩せこけた老婆、という外見からSkeleton族が選ばれたのでしょうが、取り敢えず痩せ過ぎです。