雷神降伏 ― 雷切 | 無人のモグハウスで発見された手記

雷神降伏 ― 雷切

本日は、先頃の2005/07/19 Ver.upで追加された両手刀の一つ、“雷切”についてです。


この雷切は、安土桃山の頃の大友家に仕えた武将、立花道雪こと戸次鑑連(べっきあきつら)の愛刀としてしられています。


戸次鑑連は、西暦で言うところの1515年の永正十二年(永正十年の説もあります)豊後の生まれです。
幼名を八幡丸といい、十四歳の元服に際して戸次家の家督を継ぎ、名を鑑連に改めています。


立花道雪の号名は、主君の大友家から袂を別って、立花家を興した大友(立花)貞載を、居城である立花城で討った後、その立花城の城主を任された事と、後に入道した際に道雪の号を名乗った事ら呼ばれようになったものです。


その人となりは、「頴敏驍勇類を絶し、士を育み民を恵み、その恩恵は細かな所まで行き届く」と称され、家臣や領民を愛する、武将としての勇名もさることながら、優れた君主として知られていました。


さて、この道雪、実は半身不随というハンデを背負った武将で、何と輿に乗って戦場を駆けていたといいます。
その生涯における出陣回数は三十七といわれていますが、その不利をもって尚、一度の負け戦もなく、“鬼道雪”の異名をもって鳴らしていたとされています。


では、道雪が愛刀として肌身離さなかったという雷切のエピソードにいってみましょう。これは、その半身不随という特徴とも密接な関わりのあるお話です。

雷切は、元の号を千鳥といいます。
道雪がまだ若かりし頃(多分まだ鑑連を名乗っていた頃の話でしょうが)、不意の豪雨に降り込められ、彼はとある大木の下で雨宿りをしていました。
と、するとその時、道雪を目掛けて襲い来るように一条の稲妻が走りました。
道雪は咄嗟に千鳥を抜き放ち、何とえいやとばかりにその雷(一説にはその雷をまとって襲ってきた雷神)を斬り落とし、一命をとりとめたという事です。


この時の後遺症で道雪は半身不随の身体となってしまうのですが、雷を斬ったその刀号を道雪は雷切と改め、生涯大切に持っていたとされています。


おそらくこのエピソードには、実際にそれに即した事実があったのではないでしょうか。勿論、雷を斬ったとかではなく、単に刀身に落雷して感電しただけではあるでしょうか。



両手刀:雷切/D69/隔437/命中+3 移動速度ダウン 雷:攻+10/Lv56~/侍/Rare



ヴァナ・ディールの雷切は、クフィム島に天候が雷の時のみ出現するTreant族NM、Dosetsu Treeがドロップします。
天候:雷といい、大木(型のモンスター)が落とすところといい、NMの名前といい、移動速度ダウンという特性といい、珍しくかなり原典に忠実にデザインされていますね(正確には、Thunder Elemental型NMがドロップしたり、特効が対Thunder Elementalとかの方が、より近いようには思いますが)。


最後に、道雪の辞世の句を記して、本日はここまでとしましょうか。


異方に 心ひくなよ 豊国の 鉄の弓末に 世はなりぬとも