伊藤一刀流 ― 瓶割 | 無人のモグハウスで発見された手記

伊藤一刀流 ― 瓶割

もう一丁両手刀でいっときますか。
ジョブの人口分布とか考慮すれば、片手剣や両手剣の方がネタとして適してるような気もしますが、どちらかと言うと、日本刀の方が得意分野なんですよね、私。ご覧の通りジョブも侍メインですし。


さて、瓶割です。瓶割刀とか、瓶割の太刀とかも呼ばれている逸品です。
これは、稀代の剣豪にして一刀流の開祖、伊藤一刀斎影久の愛刀です。
謎の多い人物で、伊豆の生まれで永禄(西暦で言うと1500年代半ばくらい)の頃の人とされていますが、その生国生年すら諸説紛々。
前名は伊藤弥五郎。佐々木小次郎も師事した、かの鐘捲自斎について剣を学び、後に自ら研鑚を続け、自分の流派、一刀流を興します(井上 雄彦の「バガボンド」佐々木小次郎編にも、この辺の名は見る事が出来ますね)。

この一刀流は、後に数多くの亜流・分派を生んでいきます。有名どころでは、坂本竜馬が江戸で学んだ北辰一刀流も、某トンデモ明治剣客浪漫譚でも知られる新撰組の斎藤一の小野派一刀流も、全て源流はこの一刀斎の一刀流にあります。


では、瓶割そのもののエピソードにいってみましょうか。
ある夜、一刀斎は賊を追っていました。
賊は一つの大瓶の後ろに逃げ込み、瓶を挟んで一刀斎と対峙します。
一刀斎が右から回り込もうとすれば賊も右手へ、左から踏み込もうとすれば左へと逃げ回り、一向に埒が明きません。
業を煮やした一刀斎、ならばと瓶ごとに剛刀一閃、何ともろともに賊を斬って捨てたと言います。
この時、瓶はしばし内に湛えた水を漏らす事を忘れ、賊も自分が斬られた事に気付くのに数瞬を要したと言いますから、その切れ味、そして斬撃の鋭さたるや想像を絶するものがあります。
これにより、一刀斎の愛刀(備前伝の一派である大一文字助宗の作刀だったと、一刀流の伝書にあるそうです)は“瓶割”と号され、一刀流の皆伝書とともに、後継へと受け継がれていく事になります。
(ちなみに、賊は瓶の中に隠れていた、という説もあり)

瓶割


両手刀:瓶割/D79/隔450/命中+5 対アルカナ:クリティカルヒット+7%/Lv70~/侍/Rare Ex



「対アルカナ:クリティカルヒット+7%」の特性は、上記のエピソードを表現するためでしようか。
まぁ、Magic Pot族がアルカナ属だからなんでしょうが、なんとも安直です。
人気の狩場、ロ・メーヴとかで威力を発揮してくれる便利な刀で、私も随分と長い間愛用していました。…ちゃんとした日本刀の体をしている高LV両手刀が、これしかないというのも大きな理由ですが(斬馬刀のグラフィック嫌いなんです、私)。
入手先はグスタフの洞門のScorpion族NM、Amikiri
網切り……、網切りがサソリかぁ。う~む……。