大般若経六百巻 ― 大般若
記念すべき(ほどのこともないような気もするが…)第一投目は、名物大般若からいくとしましょう。
私のような刀剣マニアなら、知らないはずもないくらいに有名な一振りですが、そういう特殊な嗜好をしていない限り、普通知りませんよね。
しかし、この名前なら聞いた事があるって人も多いのではないでしょうか。即ち“備前長船”。
はい、実はこの大般若、備前長船の一振りなんです。正確には、長船長光の作です。
長船長光は初代順慶長光と、その子、二代左近将監長光の二人いるのですが、大般若は父の順慶長光の手によるものであるという説が有力です。
この“大般若”という号には、こんな由来があります。
頃は室町、この長船長光は桁外れの高値で取引されていました。
その額、何と六百貫!
……と言われてもピンと来ませんよね。私だって当時の貨幣価値なんか知りゃしません。そこで、解かり易い比較対象と比べてみましょう。
当時は、正宗が五十貫ほどだったそうです。あの正宗がです。当時、どんな上物の刀でも、百貫を超える物はなかったと言いますから、どれほどにこの大般若が高額だったかがうかがえます。
で、この六百貫という破格の値段を、大長編の経文、大般若経六百巻にかけて、ついたあだ名が“大般若”というわけです。
この刀は、足利義輝が愛用していたとか、徳川家康が長篠の戦いで功を立てた家臣に下賜したとか伝えられています。
ヴァナにおける大般若のデータは以下の通り。
両手刀:大般若/D72/隔450/STR+3/Lv59~/侍
聖地ジ・タのKeeper of Halidom、もしくはボヤーダ樹のAncient Goobbueがドロップします。共にGoobbue族ですね。NMドロップのアイテムにしては珍しく、複数のモンスターが所持しています。
その昔、まだ侍が箸にも棒にもかからなかった頃は、たいした額ではなかったのですが、一部のHNM相手にはそれなりのダメージソース足り得る現在は、サーバにもよるでしょうが、かなりの額で取引されています(さすがに600万Gとかではありませんが)。
入手先が二つあるとはいえ、Ancient Goobbueの方は事実上獣使いの群れでもなければ勝てない相手であり、Keeper of Halidomは中国人RMTerが24時間体制で挿し木取りするついでに狩っている事も、高騰の一因でしょう。