【灰色の狼】ドイツ海軍 潜水艦 Uボートとは


Uボートとは主に第一次・第二次世界大戦のドイツ海軍 潜水艦の総称である。

ドイツ語の「U-boot」は「Unterseeboot(水の下の船)」の略称。


戦争映画「U・ボート」で知っている人もいるだろう。

特にUボートは戦時下に物資を積載した輸送船や商船を撃沈する「通商破壊」で敵対国から恐れられた。

第二次世界大戦では後述の潜水艦隊司令官 カール・デーニッツが考案した 複数のUボートによる敵輸送船団を襲撃する「群狼戦術(ウルフパック)」が用いられた。


(下の画像は第二次世界大戦で使用されたUボート Ⅶ型)

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第一次世界大戦や第二次世界大戦でドイツの敵対国ではトラウマを植え付けた。

そのため、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約(1919年)ではドイツの潜水艦保有を禁止した。


灰色の狼たち

第二次世界大戦では航続距離が長いUボートがカナダやアメリカ東海岸からアフリカや南米の近海といった大西洋の広範囲で出没。


航続距離が長くなっただけでなく、高速で潜航が可能なUボートもあれば、沿岸作戦で使用する小型のUボートもある。


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(悪い意味で)戦局を変えた

第一次世界大戦においてドイツは敵対国の艦艇・船舶を無警告で撃沈する無制限潜水艦作戦を展開し、

1915年5月7日 アイルランド沖にてドイツ海軍の潜水艦 U-20が英国の客船  ルシタニア号を撃沈した。(下のイラスト)

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この悲劇での犠牲者には米国人が多く含まれていたため、アメリカ世論は(連合国側に立って)参戦へと傾いた。


Uボートに関連した人物


カール・デーニッツ

   第一次世界大戦ではUボートの艦長として、第二次世界大戦では潜水艦隊司令長官からドイツ海軍総司令官、ヒトラーの自殺後 大統領となった。

前述の「群狼戦術 (ウルフパック)」を考案。


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オットー・クレッチマー
 「静かなるオットー」として主に第二次世界大戦でUボートの艦長を務めた。
56隻を撃沈し、総トン数は313,651t。Uボートのエースとなった。
戦後も西ドイツ海軍の軍人として、NATOの参謀も務めた。

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狼たちの天敵
第二次世界大戦においてUボートの天敵と言われる組み合わせがある。
対潜哨戒機(特にレーダー搭載型)と駆逐艦である。
Uボートにとっての敵は次第に増えて 連合国は船団を守るべく、対潜哨戒機を搭載するため民間船を改造して甲板を搭載した護衛空母が登場。
下の画像は米海軍 護衛空母 ボーグ級ボーグ
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上記のような海空の対潜兵器の投入はUボートを次第に追い詰めていった。


日本との関係

第二次世界大戦では同盟国日本にUボートが譲渡されて帝国海軍で運用した。(遣日潜水艦作戦)


余談だが、帝国海軍の潜水艦が日本からドイツ軍占領下のフランスへ行き、新兵器の部品や図面などの技術交換、技術者輸送などを行なった。

(遣独潜水艦作戦)


参考・引用元

・Wikipedia


・歴史人 別冊  世界史人  【完全保存版】第二次世界大戦の真実  KKベストセラーズ 発行