卵巣機能の低下は
1)酸化
2)糖化
3)炎症
が大きく関与しています
これらは卵巣機能だけでなく人の体に『老化』を起こすものです。
心理的、物理的ストレス、タバコ、飲酒、有害重金属の蓄積や食品添加物、農薬などは抗酸化力を低下させ、SOD活性を低下させます。食後高血糖を起こすような食習慣、糖質過多、揚げ物などはインスリン抵抗性やAGE蓄積などを起こしてきます。炎症性物質である小麦や砂糖の取りすぎは、腸に炎症を起こします。炎症は体全体に広がり機能を低下させます。
現代人は多くのストレスや毒にまみれながら頑張り続け、さらに炎症を起こす食習慣、自律神経を壊す生活習慣を自ら選んでいます。
受診を機に以下のように対策していくと、早い方は2回目の受診の時には体調の変化を報告してくれます。
1)原因物質(ストレス、農薬、添加物、小麦、砂糖など)を徹底的に避けながら
2)抗酸化対策をしたり、隠れた炎症を探していきます(自覚症状がない事が多い)
3)さらに検査などにより不足栄養素を確認し一時的にサプリメントで補う
これらはもちろん大事なのですが
外来を3年やってなかなか妊娠しない方の特徴が分かってきました!
上記は基本なのでマストなのですが
それをやっても妊娠しない人の特徴を今回は書いてみます。
問診からの特徴としては
1)疲労感が強い
2)頑張りすぎ
3)いい人症候群
職場で、家庭で頑張り過ぎていて食事に気を遣う体力気力が残っていない。良い人なので、基本的に頼まれたことを断らない。キャパオーバー。時間に追われている。いつも頑張っているので、交感神経が優位になっていて、胃腸の動きも悪くタンパク質がうまく消化吸収出来ない。エネルギーが枯渇しやすく糖を間違った方法で取り入れ食後高血糖からの低血糖で体がいつもだるい、またはメンタルが安定しない。寝つきは悪くない(と思ってるだけで、気絶するように眠る)が夜間に中途覚醒してしまうというように睡眠の質も悪い。
リラックスした状態の方が妊娠しやすいですが
いつもコーヒーなどのカフェインを入れて無理やり頑張っている方も少なくありません。
人に頼られることはあっても、頼る事が出来ないので、やる事リストが減りません。
また、生真面目な方が多く「私がやらなくては」と思っている事が多いのです。
血液データでは色々ありますがほぼ全員に共通するのが
中性脂肪低値!!
これは一般的な健康診断でも測ります。
低い値はスルーされるので(低い方がいいと思っている方もいる)
気にした事がないかも知れませんが再度確認してみてください。
中性脂肪とは糖質や脂質を含む食事から取り入れ、体内でエネルギーとして使う脂肪です。食事から取り入れる以外にも肝臓でも合成され、余ったものは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えます。ブドウ糖が足りなくなったときに、蓄えていた中性脂肪が使われます。またエネルギーとして利用されるだけではなく、体温を保ったり、内臓を保護する役割もあります。
中性脂肪が低いとなぜ悪いのか?
中性脂肪が低い=エネルギーの蓄えが少ないことを意味しますので、疲労感として症状に現れます。また体温調整もうまく出来ないので、低体温になったり、末端が冷えたりという症状も現れてきます。脂溶性ビタミンの吸収も悪くなるので、免疫力が下がってしまう、粘膜が弱くなり皮膚トラブルなども起こってきます。着床の際に必要になってくるビタミンDの吸収も下がるので、不妊にもつながります。
中性脂肪が低い人は低血糖、タンパク不足、過緊張、胃腸障害を併発してる事が多いです。
体はまず糖をエネルギーにしますが、糖が枯渇すると中性脂肪を切り出してエネルギーを作ります。ということは、中性脂肪が低い方で上記のような症状がある方は、低血糖状態を起こしている事がある事が考えられます。さらに脂も足りなくなってくる(もしくは上手く使えないと)今度はタンパク質を切り出してエネルギーを作ります。日本人は胃酸の分泌が悪く、消化が苦手な方が多いのですが、過緊張があると胃の動きも悪くなります。吸収できるタンパク質が少ない上に、自分の大事なタンパク質も壊していくことになります。
血液データの中性脂肪が低値なのに動けている方は、アドレナリンを出して無理やり動いてるだけ。今は動けていても、いつかパタリと動けなくなる日がくるかも。またアドレナリンは中性脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼを活性化します。アドレナリンを出すたびに中性脂肪を分解し、悪循環を引き起こします。そうなってくると、赤ちゃんを妊娠するどころか、自分の命を守るので精一杯。
このように、中性脂肪が低い方はアドレナリンで体を回して頑張り続けてる人に多く
食事に気を遣っても、サプリをいくら飲んでも吸収できない、いつまでも栄養不足でなかなか妊娠しません。まずは頑張り過ぎるのをやめて、赤ちゃんが居心地がいいなって思うカラダを作ってあげましょう。