今日は端午の節句。菖蒲のうんちく | 大森の花屋 大花園の花ログ

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今日は5/5の端午の節句、子供の日ですね。この時期、よく質問されるのが菖蒲について。

1)お風呂に入れる「菖蒲(しょうぶ)」一般に「菖蒲の葉」「風呂菖蒲」と呼ばれるものです。これは花菖蒲の葉と思われている方が多いのですがショウブ科(以前はサトイモ科)の植物です。お風呂に入れるのはもともと漢方の湯治療の1つだったそうです。蓬 (よもぎ)とともに邪気を払うと信じられていて身体から悪いものを払う意味で蓬と菖蒲をお風呂に入れて入るようになったそうですね。ちなみに一部地域では今でもこの蓬と菖蒲を屋根にのせて家や家族から邪気を払うという習慣があり「屋根菖蒲」とも呼ばれるのはそのためです。

2)花菖蒲(はなしょうぶ)今週のおすすめです。
アヤメ科の植物。一般に菖蒲の花、といえばこの花菖蒲の事です。葉が菖蒲に似ていて花を咲かせるから花菖蒲。背が高く大輪です。いろいろな品種があります。

3)菖蒲(あやめ)漢字が同じ「菖蒲」なのでややこしいです。こちらもアヤメ科。花菖蒲より背が低く30~センチ前後くらい。花菖蒲より花はやや小さい。剣状の細い葉が縦に並んでいる様子が文目(あやめ)模様なのでアヤメという説、花基部の網目模様からの説もあり、水辺にも咲く花菖蒲と違って乾燥地で栽培されます。

4)杜若(かきつばた)普通に漢字読めないです(笑)
やはりアヤメ科の植物。花菖蒲よりやや背が低く水辺などの湿地帯で生息します。花菖蒲は江戸時代くらいに日本で改良が進んだ比較的新しい花でこの杜若は万葉集の時代には文献に残っているそうですのでそうとう古いですね。かきつばたの色(青紫)を染み出させ布などに書き付けた、衣の染料に使われたことから「書付花」と呼ばれていたのがなまったものだそうです。古流のいけばなのお稽古に頼まれますが値段が高くて毎年難儀します。

簡単に言うとこの4つが混同して「菖蒲」をややこしくしています。そこで咲いている場所で見分けるのは、水辺で咲いているのは杜若か花菖蒲であやめではない。乾いた畑で咲いているのはあやめか花菖蒲で杜若ではないという感じ。

そして見た目で見分けるのは、花菖蒲は花の種類は多く紫系統の他に黄色や白、絞り等、多彩ですがどれも「花びらの根元のところに黄色い目の形の模様」があります。

あやめも花の種類は多くないですが「花弁の元のところに網目状の模様」があるのですぐわかります。

杜若は種類は多くないですが「花弁の弁の元に白い目型の模様」があります。

ですので花を見て、花びらの根本に黄色い目があるのは「花菖蒲」白い目があるのは「杜若」
網目模様があれば「あやめ」と判別できます。

今日から使えるトリビアにぜひ。花屋は必須の知識のはずですが半年たって年末の前には頭から抜け、この季節になって年に一回ようやく思い出すという感じです。