『 忠 義 者 の ヨ ハ ネ ス 』
前回までのお話し 「忠義者のヨハネス 1」 「忠義者のヨハネス 2」 「忠義者のヨハネス 3」
「忠義者のヨハネス 4」 「忠義者のヨハネス 5」 「忠義者のヨハネス 6」 「忠義者のヨハネス 7」
『ああ、何とかして、そなたを元の様に、
生き返らせることが出来たら、
どんなに嬉しい事であろうかのう。
のう、忠義者のヨハネスや。』
と、言いました。
すると、石像が口をきいて、
『できますとも、王様はわたくしをもとのように、
生き返らせてくださることが、
お出来になられます。
王様が、一番大切なものを、
わたくしめに、くださりさえいたしましたなら・・・。』
と、言いました。
それを聞き、
『わしが持っているものなら、どんなものでも、
そなたの為には、惜しまないぞ!』
と王様は答えました。
すると石の像がまた、
『王様が、ご自身の手で双子のお子様の首をお切りになって、
その血をわたくしに、お塗りくだされば、
わたくしは命を取り戻す事が出来ます。』
と答えたのでした。
王様は、自分の手で一番可愛い子供たちを殺すと聞いて、
驚いてしまいました。
けれども、あの素晴らしい忠義の事を考え、
また忠義者のヨハネスが、
自分のために死んだのだという事を考えると、
王様は刀を抜いて、自分の手で
王子たちの首を切り落としたのです。
それからその血を石に塗りました。
するとヨハネスは生き返って、元通り元気よく、
丈夫で王様の前に立ちました。
『王様の真心に報いが無くてはなりません。』
忠義者のヨハネスは、そう王様に言うと、
王子たちの首を取り上げ、
それを首の付け根に乗せると、
傷口に王子たちの血を塗りました。
たったそれだけで、王子たちはたちまち生き返って、
何もなかったように、跳ねまわったり、
ふざけ合ったりしました。
すると王様の喜びは大変でした。
ちょうどそこへお妃が来るのが見えると、
王様は忠義者のヨハネスと二人の王子を、
大きな戸棚の中へ隠しました。
お妃が部屋に入ると、
王様は、お妃に言いました。
『そなたは教会で、お祈りをしたかな?』
『はい。でもわたくしは、いつでも
あの忠義なヨハネスがわたくしたちのために、
酷い目にあったことを考えておりました。』
とお妃は言いました。
すると王様は、
『我々の力で、ヨハネスを生き返らせることが出来るのだ。
しかしそれは、我々の子供と引き換えになるのだ。
二人を生け贄にしなければならない。』
そう言ったのです。
これを聞いたお妃は、真っ青になって、
心の中でぎょっとしました。
しかし、
『わたくしたちは、
あの人の素晴らしい忠義のお蔭でこうしていられます。』
とお妃は言いました。
王様は、お妃が自分と同じように考えたことを喜びました。
そして戸棚を開いて、忠義者のヨハネスと、
双子の王子たちを外に出して言いました。
『有り難い事だ。
ヨハネスは救われたぞ。
子供たちも、元通りになった。』
それから、お妃に一部始終を話しました。
こうしてみんなは死ぬまで一緒に幸福に暮らしましたとさ。
「忠義者のヨハネス」 おしまい。
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
おしまいっ。
