『 眠 り の 精 』



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 するとシチメンチョウは、思いきり、

ぷうっと膨らんで、お前は誰だい?と尋ねました。

家鴨たちは、後ずさりして、互いに押し合いながら、



『早く言いな。早く言いな。』



と、ガアガア騒ぎ立てました。



 そこで鸛(こうのとり)は、暖かいアフリカの事、ピラミッドの事、

砂漠をの馬の様に走る駝鳥(だちょう)の事を話しました。

しかし家鴨たちは、鸛の言うことが解りません。

それで互いに押し合いながら、



『どう思う、みんな。コイツ馬鹿じゃないか?』



と言うと、



『うん、確かに、コイツは馬鹿だよ。』



と、七面鳥はこう言って、喉をコロコロ鳴らしました。

これを聞いて、鸛(こうのとり)は何も言わず、

ただひたすらに、アフリカの事ばかりを考えました。



『お前さんは、綺麗な細い足をしているね。

 50センチばかり買うと、いくらだい?』



と、七面鳥は言いました。

それを聞いた家鴨たちは、ガアガア

馬鹿にしたように、笑い転げました。

けれども鸛は、何にも聞こえないような顔をしました。



『なあ、一緒に笑ったらどうだい?』



と、七面鳥は言いました。



『随分、シャレを言ったつもりなんだからな。

 それとも何かい?

 お前さんには、低級すぎたかい?

 おやおや、こいつはやっぱり、

 少しばかり頭が足りないようだ。

 俺たちは、俺たちだけで、愉快にやろうぜ!』



こう言って、クックックと、鳴きました。

するとアヒルたちは、ガアガアガアと騒ぎ、

こうしてみんなして、面白がっている有様は、

何とも恐ろしいほどでした。



 けれどもヤルマールは、鳥小屋に行って、

戸をあけて鸛(こうのとり)を呼びました。

鸛は、ヤルマールの後ろから甲板に飛び出てきました。

今では、身体も十分に休まりました。

鸛は、ヤルマールにお礼を言いたそうに、

頷いているみたいでした。

それから翼を広げて、暖かい国へ向かって飛んでいきました。

鶏たちは、クックと鳴き、家鴨たちは、ガアガア騒ぎ、

七面鳥は、顔を真っ赤にしました。



『明日、お前たちをスープにしてやるぞ!』



と、ヤルマールは言いました。

けれどもやがて目が覚めた時には、

いつもの小さな寝床の中に寝ていました。

それにしても、オーレ・ルゲィエが昨夜させてくれた旅は、

本当に本当に、不思議な旅でした。



~本日は、ここまで~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

おしまいっ。
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