『 眠 り の 精 』



前回までのお話し  「眠りの精 1」  「眠りの精 2」




けれども、またその傍に2つ、3つ、字が書かれていました。

これらの字は、自分では、お手本の字に

似ているつもりでいました。

なにしろ、ヤルマールが

お手本の字を見て書いたものだったのですからね。

ところが、これらの字は、鉛筆で引いた線の上に

キチンと立っていなければならないはずなのに、

転んだように、横倒れになっているのです。



『ほらいいかい?

 こう言う風に、身体を起こすんだよ。

 ほうら。こういうふうに。

 幾分、斜めにして、それからぐーんと撥ねるんだよ。』



と、お手本の字が言いました。すると、



『僕たちだって、そうしたいんだよ。

 だけどできないのさ。

 僕たち、気分が悪いんだもの。』



と、ヤルマールの書いた文字が言いました。



『では、お前たちは、具合を治すために、

 苦い薬を飲まなくては駄目だね。』



と、オーレ・ルゲィエが言いました。



『そんなの、嫌だよ!嫌だよ!』



と、みんなが叫ぶと、文字たちは、さっと起き上がりました。

その有様は、見ていて滑稽なほどでした。



『今夜は、お話ししてあげられないよ。』



と、オーレ・ルゲィエは言いました。



『これから、訓練をしなければならないんだよ!

 それ、1、2! 1、2!』



それから文字たちは、訓練を受けました。

そうすると、ヤルマールの書いた文字たちは、

お手本の字の様に元気よく、真っ直ぐに立ちました。

けれどもオーレ・ルゲィエが行ってしまって、次の朝になり、

ヤルマールが目を覚ました時には、

ヤルマールが書いた文字たちは、

みんなやっぱり昨日と同じように、

情けなくも、転んだ格好をしていたのです。



~今日はこれにて。~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

おしまいっ。
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