『 勇 ま し い 豆 仕 立 屋 』



前回までのお話し  「勇ましい豆仕立屋 1」  「勇ましい豆仕立屋 2」
「勇ましい豆仕立屋 3」  「勇ましい豆仕立屋 4」  「勇ましい豆仕立屋 5」





王様からの、滅多にない願いを、

豆仕立屋は、快く応じたのでした。



『私はきっと巨人を滅ぼして見せますよ。

 また、その時に百人の騎士など必要ありません。

 一打ちで七人も倒す者が、

 何でたった二人に、怖れる必要がありましょうか?』



こうして豆仕立屋は、国の外れの森へと出発したのです。

そして百人の騎士が、豆仕立屋の後ろに付いて行きましたが、

森に差し掛かった時、

豆仕立屋は、お供の者たちに



『ここで待っていなさい。

 私はきっと一人で、巨人たちを思うままに仕留めるから。』



と言うと、森の中へと進んでいきました。



それから豆仕立屋は森の中で、当たりを見渡しました。

暫くすると、二人の巨人の姿が確認できたのです。

二人は木の下に寝そべって、鼾をかいています。

その鼾の風で、なんと大きな枝が上下に揺れていました。



豆仕立屋は手っ取り早く、両方のポケットに

石をいっぱい詰め込むと、そのまま木の上に登りました。

木の中ほどまで上がると、

今度は寝ている巨人たちのちょうど真上まで来るように、

大きな枝の一本を跨ぎ、

座りながらズルズルと枝の先の方へと進みました。

そこから今度は、ポケットの中の石を取り出すと、

次々と、一人の巨人に向けて、

思い切り、石をぶつけ始めました。



石をぶつけられている巨人は、

最初は何もわからず、ただ寝ていました。

しかしやがて、何度も石を当てているうちに、

とうとう目を覚ましたのです。

そしてもう一人の仲間の巨人を、叩き起こすと、



『おい!

 何だって、お前はわしを叩くんだ!』



と、文句を言いました。

するともう一人は、



『何言っているんだよ、お前、夢でも見てるのか?

 俺は、お前の事を叩いたりしねぇよ。』



と言うが早いか、

二人の巨人は、また、眠りこけてしまったのです。



すると豆仕立屋は、

先ほど石をぶつけた巨人とは、違う巨人めがけて、

石を1つぶつけました。



『あいたた、これは一体どういうことだ?』



2番目に石をぶつけられた巨人が、怒鳴りました。



『なんだってお前は、わしをぶつのだ!』



すると、最初にぶつけられた巨人が、



『何言っているんだ。

 わしはお前をぶったりせん。

 きっとお前は、夢でも見たのさ。』



と、言いました。

二人の巨人は、しばらくの間、

言い争いをしていましたが、それを打ち切ると、

草臥れたのか、また目が塞がって眠ってしまったのです。



そこで豆仕立屋はもう一度、悪戯をしました。

今度は、ポケットの中で一番大きな石を探し出すと、

それを最初の巨人めがけて、思いきり投げつけたのです。



『痛い!何をする!』



と、巨人は怒鳴ると、

まるで気が狂ったかのように飛び起きて、

もう一人の巨人を殴り始めたのです。

それでもう一人の方も目を覚まし、

巨人同士の殴り合いの喧嘩が始まったのです。



二人の巨人は、かんかんになって怒り、

大きな木を引き抜くと、その木で殴り合い出しました。

そして二人とも同時に倒れ、死んでしまったのです。



それを見ていた豆仕立屋は、木から降りてきました。



『僕が登っていた木を抜かれずに済んで、良かったよ。

 さもなくば、僕はまるで栗鼠か小鳥のように、

 他の木へと飛び移らねばならなかったからな。』



それから豆仕立屋は剣を抜いて、

巨人たちの胸に、数回、したたかに剣を突き刺しました。

そして、騎士たちの元へ堂々と戻って行きました。



~本日は、これにてぇっ~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

おしまいっ。
ペタしてね