『 ホ レ お ば さ ん 』
前回までのお話し 「ホレおばさん 1」 「ホレおばさん 2」
「ホレおばさん 3」 「ホレおばさん 4」 「ホレおばさん 5」
そうして間もなく、醜く怠け者の娘は、
今度は林檎の木の所に着きました。
林檎の木は、
『ああ、そこのあなた、お願いです。
私を大きく揺すってください。
私を、今すぐに揺すってください。
私たちはみんな、もう十分に熟しているのです。
今、実をもがないと、腐ってしまうのです。
お願いです。
早く私を揺すってください。』
と、大声で言いましたが、醜く怠け者の娘は、
『まぁ、何てずうずうしい木でしょう。
もし私の頭の上に、
林檎が落ちて来たら、どうするのよ!
危ないじゃないの!』
と言って、またズンズン先に行ってしまいました。
やがて醜く怠け者の娘は、
「ホレおばさん」の家へ来ました。
姉は、ホレおばさんを見るなり怖くなり
逃げ出そうとしましたが、
醜く怠け者の娘は、ホレおばさんの容姿を知っていましたので、
ちっとも怖がらず、逃げませんでした。
そして何も言われる前から、雇われたのです。
最初の日は、わざと働いて、
ホレおばさんの言う通りにしました。
おばさんが、黄金をドッサリくれるだろうと、
そればかりを考えていましたから、
一所懸命に、最初の日は働いたのです。
けれども2日目には、もう怠け始めてしまい、
3日目には、朝になっても起きても来ません。
そしてホレおばさんのベッドを整えるのは、
娘の仕事なのに、全く仕事をしませんでした。
ベッドをきちんと整えもしないし、
羽毛を振るって、撒きもしません。
ホレおばさんは、この娘にうんざりして、
奉公を辞めさせました。
醜く怠け者の娘は大喜びです。
これで金の雨が自分に降って来ると思いました。
この娘の事も地上に連れていくために、
ホレおばさんは、醜く怠け者の娘の手を取り、
大きな門の所へ連れて行きました。
そして門の下に娘を立たせると、
金の雨の代わりに、
大量のコールタールを、娘にぶちまけたのです。
『さあこれが、お前がしてくれたことへの報酬だよ。
怠け者のお前には、これをあげようね。』
そう言うと、ホレおばさんは、門を力いっぱい閉めました。
醜い怠け者の娘は、家へ帰りましたが、
身体中にコールタールがこびり付いていました。
そして井戸の上にとまっていた雄鶏(おんどり)は、
『コケコッコー!
我が家の醜く怠け者のお嬢様のお帰りだ!!』
と、大声で鳴きました。
コールタールは、醜く怠け者の娘の身体にこびり付き、
死ぬまで取れることはありませんでした。
「ホレおばさん」 おしまい。
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
おしまいっ。
