『 雪 む す め 』



前回のお話し  「雪むすめ 1」




おじいさんとおばあさんは、不思議に思いながらも

戸をあけてやりました。

すると、



『おじいさん、おばあさん、私は、カーチャよ。』



 と、さっき作った雪だるまの娘が、

本当の人間の女の子になって、目の前に現れたのです。

そして、おじいさんとおばあさんに抱きついたのです。

 見ると雪で真っ白だった頬は、ほんのりとピンク色、

炭(すみ)で作った黒髪と大きな黒い目は、

本当の黒髪と目になっているじゃありませんか。

それに何より、さっき被せた毛糸の帽子も、手袋も、

足には可愛い長靴も履いているのです。





 おじいさんとおばあさんは、大喜びです。

さっそく女の子を家の中に入れてやると、



『カーチャや、今日からお前はうちの子だよ。』



 と、言って、2人は洋服を作ってやったり、

綺麗なリボンを髪に結んでやったり、

新しい長ぐつを買ってやったりと、

それはそれは大切に育てる事にしたのです。



 さて、冬が終わって雪がすっかり融けてしまうと、

カーチャはだんだんと元気がなくなってきました。



『カーチャ、一緒に森へ遊びに行きましょうよぉ。』



 近所のお友達がカーシャを誘いに来ますが、

カーシャは首を横に振ります。



『いや。外は暑いんですもの。』



『まあ、カーチャ。

 森へ行けば、とても涼しいわよ。

 小川の水は冷たくて、良い気持ちよ。』



 お友達がそう言うと、おじいさんとおばあさんも言いました。



『そうだよ、カーチャ。たまには外で、遊んでおいで。』



『・・・うん。』



 そこでカーシャは、しぶしぶですが、皆と森へ出かけました。

でもほかの子は楽しそうに遊んでいるのに、

カーシャはたった一人で一日中、小川で足を冷やして過ごしました。



『カーチャったら、おかしな子ね。』



 タ方になると、お友達たちは焚火をしました。



『ねえ、皆で焚火の飛びっこをしましょうよ。』



 誰かが言うと、皆が賛成しました。



『じゃあ、わたしが一番よ。』



『二番目は、わたしよ!』



 それからお友達たちは皆、順々に飛んで、

最後に残ったのはカーシャ、たった一人です。



『あら、カーチャがまだね。』



『どうしたのカーチャ。飛ばないの?

 飛ベないの? こわいの?』



 皆に言われて、カーシャが答えました。



『あたし、飛びたくないの。』



 するとお友達たちは、笑いながらカーシャに言いました。



『わかったわ。

 カ一チャは、焚火が怖いのよ。 弱虫ね。』



『そうよ、そうよ。カーチャは弱虫よ。』



 するとカーシャは、皆を見て言いました。



『・・・あたし、弱虫じゃないわ!』



 カーシャは決心すると、勢いよく焚火の上を飛び越えました。



 ピョーン。



『ごらんなさい、飛んだでしょう。

 あたしは、弱虫じゃないわ。』



 ところがカーシャのピンク色の頬は、みるみる白くなり、

やがて手も足も体も消えて、焚火から煙が上がったのです。



 寒い冬の雪から生まれた女の子は、

ちょうど雪が融けるように、

煙となって消えてしまったのでした。





~『雪むすめ』 おしまい~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

おしまいっ。
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