『 ゆ き だ る ま 』



前回のお話し  「ゆきだるま 1」  「ゆきだるま 2」




 ところが、お日様がのぼると、

何と素晴らしい景色が現れたことでしょう。

樹と言う樹、林と言う林が、みな、霜で覆われ、

真っ白い、サンゴ礁の林のようにも見えるのです。

枝と言う枝に、キラキラ輝く真っ白な花が咲いたようです。

辺り一面の小枝と言う小枝は、

夏には沢山の葉が茂るために、枝その物はよく見えませんが、

今は1つ1つ真っ白になり、ハッキリとわかるのです。

その喩えようときたら、

美しい網目の、キラキラとしたレースのようにも見えます。

真っ白な光が、1つ1つの枝からこぼれていました。

白樺は、ユラユラと風に たゆたっていました。

それは夏の生き生きとした時以上に、

もっと生き生きと、輝いているようです。



 やがてお日様が、輝きだしました。

すると今度は、辺り一面、

ダイヤモンドの粉を撒いたかのように、

美しく、キラキラと光り出しました。



『まぁ、何て美しい光景でしょう。』



若い男と共に庭に出てきた、若い娘が

雪だるまのすぐそばに立ち止って、

辺りを見渡しながら、そうつぶやきました。



『真夏には、こんな美しい景色は見られないわね。』



と、娘は、目を輝かせました。



『それに夏には、コイツもお目にはかかれないよ。

 なかなか上手に出来ているな。』



と、若い男は、雪だるまを指さしながら言いました。

娘は、にこにこ頷くと、

若い男と共に、雪の上を踊るように弾みながら、

向こうへと行ってしまいました。

2人が雪の上を歩くと、その足のしたでは、

ぎしぎしと雪が音を立てて鳴りました。



『ねえ、あの2人は誰なの?』



雪だるまは、鎖に繋がれている老犬に尋ねました。



『ねえ、君はこの家では、僕よりも前からいるんだから、

 あの人たちの事を知っているんでしょ?』



『もちろん。良く知っているさ。

 あの娘さんはね、この俺の頭を撫でてくださるんだよ。

 それにあの若い男の人は、骨をくださるんだよ。

 だからあの2人は、特別に、

 俺は咬みつかないようにしているのさ。』



『ふうん。だけど、あの2人はどういう人たちなの?』



『いいいい・・・いいなずけさ!』



鎖に繋がれている老犬は、そう言うと、



『これから、犬小屋に入って、

 一緒に骨をかじるかい? ワンワン!』



と雪だるまを誘いました。

雪だるまは、



『さっきの人たちは、君と同じ物なの?』



と、又質問したのです。



~今日は、この辺りで・・・~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

つづくですっ。
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