『 1 2 人 の 王 子 』



前回のお話し  「12人の王子 1」




確かにそれは白では無く、真っ赤な旗でした。

これこそが、全員が殺されてしまうという合図です。

兄たちは、これを聞くと腹を立てて、



『バカバカしい!

 女の子1人の為に、僕たち全員が

 どうして死ななきゃならないんだい?

 ならば、僕たちも、それなりの仕返しを、

 してやろうじゃないか?

 僕たちの妹を見つけるや否や、

 彼女を血祭りにあげてやるさ!』



と、恐ろしい事を言い出したのです。



 それから兄弟は、森の奥へと入って行きました。

やがて暗い森の奥深くに、

魔法がかけられた、1軒の小屋を見つけたのです。

12人の王子様たちは、小屋の扉を開けると、

中を伺いました。

どうやら、誰も住んではいないようです。

そこでベンジャミンの兄たちは、



『よし、ここに住む事としよう。

 ベンジャミン、お前はチビで力がない。

 家の中の事をしておくれ。

 兄さんたちは、外で何か食べられる物を探してくるよ。』



と言うと、上の11人の王子様たちは、

末の王子様を置いて、再び森の中へと出かけて行きました。

11人の兄たちは、ウサギや鹿、ハトなど、

もっていた弓矢で仕留めて、

ベンジャミンが待つ小屋へと帰ってきました。



 ベンジャミンは、兄たちが獲って来た獲物を料理をし、

お腹を空かせた兄たちに食べさせました。



 こんな風に、12人の王子様たちは、

10年もの間、この森の奥の小屋の中で、

兄弟仲良く、暮らしました。



 一方、お妃様の生んだあのお姫様は、

とても愛らしく、気立ての良い少女に成長していました。

そしてそのお姫様の額の真ん中には、

小さな金色の星が1つ、付いていました。



 ある時、沢山の洗濯物が干されているのを見たお姫様は、

その洗濯物の中に、

小さな男物の肌着が12枚あるのを見て、

『お母様、この12枚の肌着は誰のですか?

 お父様のには、少し小さすぎませんか?』

と、お妃様に尋ねたのです。

するとお妃様は、顔を曇らせ、



『これはね、あなたの12人のお兄様たちの物なのですよ。』



と、お話しになったのです。

これを聞いたお姫様は、



『え? 12人のお兄様?

 私には、お兄様がいるのですか?

 今まで、私にお兄様方がいるなんて、

 ちっとも知りませんでした。

 お母様、ではそのお兄様方は今、

 どちらにいらっしゃるのでしょう?』



と聞きました。

お妃様は、



『どちらにいらっしゃるのか・・・

 それは神様しか、わからないのです。

 きっとお兄様方は、世界中、

 ほうぼうを当てもなく、彷徨っておいでなのです。』



と言うと、お姫様の手を取り、

あの鍵のかかる部屋を開けると、

中に置いてある、12の棺桶を見せながら、



『この棺桶は、あなたのお兄様方の物なのです。

 お兄様方はね、あなたが生まれる前に、

 こっそりどこかへ行ってしまったのですよ。』



と、お姫様が生まれる前の一部始終を聞かせたのでした。

するとお姫様は、



『お母様、泣かないで。

 必ず、私がお兄様方を探し出してみせますから。』



と、言ったのでした。



~今日は、このあたりで・・・~




ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。

つづくですっ。
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