『 ナ イ チ ン ゲ ー ル 』
前回までのお話し 「ナイチンゲール 1」 「ナイチンゲール 2」
「ナイチンゲール 3」 「ナイチンゲール 4」 「ナイチンゲール 5」
「ナイチンゲール 6」 「ナイチンゲール 7」
ところがある夜のことでした。
作り物の鳥が、いつものように上手に歌を歌い、
皇帝が寝床の中に入って、それを聞いていた時のことです。
突然、鳥の身体から、
『ブス!』
という音がしたのです。
そして、何かが、撥ね飛びました。
するとあっという間に、歯車と言う歯車が、
『ブルブルブルブル!』
と空回りをして、音楽がパタッと止んでしまったのです。
皇帝は、驚いて寝床から跳ね起きました。
そしてすぐにお医者を呼びにやったのです。
でもお医者に、一体何が出来るというのでしょう?
そこで今度は、時計屋を呼んでこさせました。
時計屋は、色々とたずねたり、調べたりしました。
そして何とか元のようには直ったのです。
ところが、
『これは、大切にしていただかなくては困ります。
拝見いたしましたところ、
心棒がすっかり擦り減ってしまっております。
しかしながら、新しい心棒に取り替えてしまった場合、
美しい音色は、もう出なくなってしまうでしょう。』
と、時計屋は告げたのでした。
さあ、何と悲しい事が降ってわいてしまったのでしょう。
これからは、作り物の鳥の歌を、
1年にたった1度しか聞くことが出来なくなってしまったのです。
おまけにそれさえも、回数としては多すぎるというのです。
しかし楽長が小難しい顔をし、難しい言葉で、
これは以前と同じに戻るだけです。
それで構わない、良い事です、と短く言いました。
確かに言われてみれば、
鳥が来る前の状態に戻るだけのこと。
悪い事では無いのです。
いつの間にか、それから5年の歳月が流れました。
今度は、国中が、作り物の鳥が壊れた時以上に、
もっともっと大きな悲しみに包まれてしまいました。
全ての国民は、誰もが皇帝を心から慕い、
尊敬をしていました。
ところが、その皇帝が、重い病にかかり、
もうそんなに長くは無いだろうという、
噂が立ってしまっていたのです。
そして新しい次の皇帝も、すでに選ばれていたのです。
人々は、表の通りに出て、
皇帝の具合を侍従に尋ねました。
しかし侍従は、ただただ首を横に振るばかり。
そんな皇帝は、美しい寝床の中で、
冷たく青ざめながら、休んでおりました。
宮中の人々は、冷たくなった皇帝を見て、
もうお亡くなりになられたと思い、
次の新しい皇帝へ挨拶をするために、皆、行ってしまいました。
お付きの女たちも、次々と皇帝の元から去って行き、
お茶を飲みながら、今の皇帝や、
次の皇帝の噂話をしておりました。
~今日は、このあたりで・・・~
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
つづくですっ。
