『 ろ く ろ 首 』
前回迄のお話し 「ろくろ首 1」 「ろくろ首 2」 「ろくろ首 3」
「ろくろ首 4」 「ろくろ首 5」 「ろくろ首 6」 「ろくろ首 7」
両目を途方もなく見開き、髪の毛は逆立ち、歯ぎしりをした。
ついで、唇から叫び声がほとばしり出た。
――そして、憤怒の涙を流しながら、首は大声でこう言った。
『からだを動かされたからには、
もとどおりになることなんか、できゃしない。
そうなれば、死なねばならん。
……みんな、あの坊主の仕業なんだ。
死ぬまえに、あの坊主にくらいついてやる。
あいつを引き裂いてやる。
あいつをむさぼり食ってやる。
……そら、あそこにいるぞ。
あの木のうしろに――
――あの木のうしろに隠れている。
あれを見ろ、あのふとっちょの卑怯者を!』
こう言うと同時に、あるじの首は、
ほかの四つの首を従えて、回竜に飛びかかった。
しかし、この力の強い僧は、それより先に、
若木を一本引きぬいて獲物(えもの)にし、
かかってくる首を、その木でたたきつけ、
すさまじい力で打ちまくって、近よせなかった。
とうとう、四つの首は逃げ去ったが、
あるじの首だけは、いくど打ちのめされても、
なおも死物狂いにとびかかり、
とうとう回竜の衣の袖に食らいついた。
しかし回竜は、すばやくその髷をひっつかんで、
つづけざまに打ちのめした。
首は食いついたまま離れなかったが、
長いうめき声をあげ、
それからあとは、じたばたしなくなった。
首は死んだのである。
けれども、その歯は、なおも袖に食いついたままだった。
そして、回竜の大刀をもってしても、
その顎をこじあげることはできなかった。
~本日は、ここまで。~
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
つづくですっ。
