The Gratitude of the ”SAMEBITO” by Lafcadio Hearn
前回のお話し 「鮫人のなみだ 1」
『どうかお願いです。 私をもし、哀れと思いなら、
どこか泊まる所を見付けてくださいませんか?
それから何か、食べる物を分けて欲しいのです。』
こう言って、哀願する調子はいかにも切々とし、
態度もとても控えめであり、
藤太郎は、その言葉が心にしみたのです。
『ならば、私についてくるが良い。
うちの庭には大きくて深い池がある。
そこならば、いつまで居てもかまわない。
食べる物も、十分にあげよう。』
鮫人は藤太郎について家までやって来たが、
池はたいそう気に入った様子だった。
以来、半年近くというもの、この奇妙な客は池に住んで、
毎日、海の生き物の口に合うものを藤太郎から貰っていた。
さて、この年も7月となり、近くの大津の町にある
『三井寺』と言う、由緒ある寺院で女人詣が行われ、
藤太郎もこの祭りを見に大津へ出かけた。
そこに参集したあまたの女ども、娘たちのなかに、
藤太郎は、ひときわ目立つ美女を見た。
年のころは16ぐらいであろうか、
顔は雪のように色白で清らかだった。
それに口もとの愛らしさといえば、
そこからこぼれる言葉の一つ一つが、梅にさえずる鶯のように
快く響くに違いない、と思わせた。
藤太郎は、ひと目でとりこになってしまった。
前回のお話し 「鮫人のなみだ 1」
『どうかお願いです。 私をもし、哀れと思いなら、
どこか泊まる所を見付けてくださいませんか?
それから何か、食べる物を分けて欲しいのです。』
こう言って、哀願する調子はいかにも切々とし、
態度もとても控えめであり、
藤太郎は、その言葉が心にしみたのです。
『ならば、私についてくるが良い。
うちの庭には大きくて深い池がある。
そこならば、いつまで居てもかまわない。
食べる物も、十分にあげよう。』
鮫人は藤太郎について家までやって来たが、
池はたいそう気に入った様子だった。
以来、半年近くというもの、この奇妙な客は池に住んで、
毎日、海の生き物の口に合うものを藤太郎から貰っていた。
さて、この年も7月となり、近くの大津の町にある
『三井寺』と言う、由緒ある寺院で女人詣が行われ、
藤太郎もこの祭りを見に大津へ出かけた。
そこに参集したあまたの女ども、娘たちのなかに、
藤太郎は、ひときわ目立つ美女を見た。
年のころは16ぐらいであろうか、
顔は雪のように色白で清らかだった。
それに口もとの愛らしさといえば、
そこからこぼれる言葉の一つ一つが、梅にさえずる鶯のように
快く響くに違いない、と思わせた。
藤太郎は、ひと目でとりこになってしまった。
本日はこのあたりで・・・
"If you can feel any pity for me, do, I beseech you, help me to find a shelter, and let me have something to eat!"
This petition was uttered in so plaintive a tone, and in so humble a manner, that Totaro's heart was touched. "Come with me," he said. "There is in my garden a large and deep pond where you may live as long as you wish; and I will give you plenty to eat."
The Samebito followed Totaro home, and appeared to be much pleased with the pond.
Thereafter, for nearly half a year, this strange guest dwelt in the pond, and was every day supplied by Totaro with such food as sea-creatures like.
Now, in the seventh month of the same year, there was a female pilgrimage (Nyonin-moude) to the great Buddhist temple called Mii-dera, in the neighboring town of Otsu; and Toraro went to Otsu to attend the festival.
Among the multitude of women and young girls there assembled, he observed a person of extraordinary beauty. She seemed about sixteen years old; her lips assured the beholder that their every utterance would sound "as sweet as the voice of a nightingale singing upon a plum-tree." Totaro fell in love with her at sight.
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
つづくですっ。
