世界中に夏は訪れなくなった。 作物は育たず、人の世界に争いが始まる。
やがて人々の心からモラルは失なわれ、悪と闇とが広がりを見せたのだ。
その悪に残忍な者共はますます共鳴し、闇はどんどん広がりを増す。
そして神々の光は・・・
あまりにも長い時間、神々から自由を奪われ、
囚われの身となっていた大狼のフェンリルは、
自由を奪われたその強い恨みを、
神々の王オーディンへと強く向けながら、走り出しました。
と、その時です。
ヨーツンヘイム、巨人の国の見張り番のエッグセールが、
霧でくすんだ丘に座り、ニタニタと笑いながら、
戦いの竪琴を、かき鳴らし始めたのです。
その音を聞いた巨人の国の 鳥の森に住む、
赤い雄鶏のフィアラルが、
狂暴な巨人たちの為に、高々と戦いの時を告げたのです。
その雄鶏のフィアラルの時の声からは、
もう何人(なんぴと)たりとて、逃れることは出来ぬのです。
フィアラルの時の声を聞いたエッグセールは、
ますますニタニタとしながら、
戦いの竪琴を、さらに激しくかき鳴らし続けました。
一方、遠くでかすかに聞こえる、巨人達のあげる時の声。
それをいち早く察知したのは、
世界樹ユグドラシルの頂上にとまっている、
金色のとさかの雄鶏、グリンカムビでした。
グリンカムビは毎朝、アースガルド中の神々と、
オーディンの館 ヴァルハラに住む
英雄たち、エインヘリャルたちに
それに美しき戦う乙女らのワルキューレたちに、
朝の時を告げておりました。
その金色の雄鶏、グリンカムビが
高らかに、戦いの時の声を上げたのです。
そのいつもと様子が違う、時の声を聞いた全ての神々と、
ヴァルハラの戦士たちや、ワルキューレたちは、
急ぎ、戦いの支度を整え始めたのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
