世界中に夏は訪れなくなった。 作物は育たず、人の世界に争いが始まる。
やがて人々の心からモラルは失なわれ、悪と闇とが広がりを見せたのだ。
その悪に残忍な者共はますます共鳴し、闇はどんどん広がりを増す。
そして神々の光は・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『ラグナレク 6』





太陽が、狼に喰われたのと同じ頃、

大地は至るところで、大きく震え出したのです。



この大地の揺れのせいで、太古から生き続けてきた、

多くの巨木たちは、バタバタと根元から倒れてしまいました。



世界中の高い山も、低い山も全てが揺れました。

そしてどの山も、大きくぐらつき山頂が崩れ落ち、

その形は、どんどん変わってしまったのです。



この世の9つある世界の、全ての場所が大揺れに揺れ、

山も川も、洞穴も、

あらゆる場所の地形が変わって行ったのです。

その為に、捕えていた者たちの戒めを

固定していた大岩が割れてしまい、

捕縛されていた者たちの手枷や足枷が、ゆるんでしまい、

囚われの身だった者たちは、自由になってしまったのです。



その中の1人には、

口には剣が刺さっており、その為に口を閉じられず、

そこから溢れ出る唾液で、

自由になりたいと云う希望の川、ヴォーン川を作りながら、

捕えられていたロキの息子、大狼のフェンリルがいました。

そのフェンリルの足枷に使われている、

魔法の紐グレイプニルと、

ギョルと云う名の、穴の開いた大岩とを繋ぎとめていた

大きくて、とても丈夫な鎖のゲルギヤも、

この大地の揺らぎと同時に、はじけ飛び壊れてしまったのです。

しかしこの大揺れでも、

フェンリルの口に突き刺さった剣だけは抜けず、

大口は閉じられずにいました。

大口を開けたままであっても、

もうフェンリルは囚われの身では無いのです。

自由を手にした大狼は、

ゆっくりと立ち上がると、その場から走り出しました。





ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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