悲しみに満ちたアース神たちが、バルドルの死を受け入れ始めた頃、
海神エーギルは醸造した酒を振る舞うために、神々を館に招きました。
その宴で酒が入ったロキは・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『ロキの口論 21』





トールが、ミョニルを改めて、

力を込め、握りしめるのを見たロキは、

片手を上げて、頭を横に振りながら、



『待ってくれ。

 俺は、アース神たちに、猛烈に頭に来ている。

 だから、その思いをアース神たちに伝えたいだけだ。

 だがトール、お前のために、

 お前、一人の為に、

 俺は今は、この場から離れようと思う。

 お前の真の強さを、俺は誰よりも知っているからな。』



そう言うと、ロキは深くため息をつき、

喋る事を、一旦、止めたのです。

そしておもむろに、挑発するように辺りを見渡すと、

再び、その良く喋る口を開いたのです。



エーギル、お前は本当に美味い、上等の酒を醸造したな。

 だがもう二度と、こんな素晴しい酒宴を

 開くことは出来ないだろうよ。』



そう言うと、ロキは声を一段と大きくして、



『ゆらゆらと大きく揺らめく炎が、

 やがてこのエーギルの館を飲みこむだろう。

 炎はこの館の全てを、

 舐めるように、貪るように焼き尽くす。

 エーギル、お前が持っている全てのものを滅ぼすだろう。

 エーギル、お前の身体の皮は、

 その燃え盛る業火で焼かれ、剥されてしまうだろう。』



ロキは、そう呪いの言葉をエーギルに残すと、

向きを変えて、扉の方へと歩み出しました。



ロキが吐いた、恐ろしい言葉は、

エーギルの館の壁と云う壁に反響し、

何度も何度も、アース神たちの耳に反響し続けました。



その余りに恐ろしい呪いの言葉のせいで、

神々も、女神たちも、それにそこにいた妖精たちも、

動揺してしまい、沈黙を続けるしかありませんでした。



『ロキの口論』おしまい。




- 追 記 -

これにて『ロキの口論』はおしまいです。

ロキも皆から嫌われては居ても、アース神の1人であるのに、その神々に対して、とんでもない

悪態をつき、喧嘩を吹っ掛けてしまったロキ・・・。

さてこの後、一体、ロキアース神たちもどうなっていくのか・・・

明日からは、『ロキの捕縛』の章が始まります。

どうか又、読みにいらっしゃってくださいね。



ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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