愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『バルドルの死 41』





冥界のヘルの館から、アースガルドに着くまで、

一度もヘルモードは、休むことなく

オーディンの空駆ける馬、スレイプニルを走らせ続けました。

そして神々の集会場、グラズヘイムに帰って来ると、

全ての神々と、女神たちを集合させ、

皆に、冥界で見た事の全てと、

ヘルバルドルナンナと話したことを語り伝えました。



そしてヘルとの話を聞くや否や、

神々は、この世の9つの世界の隅々にまで、

沢山の使者を送り出したのです。



そして使者たちは、

この世のあらゆる生きているものにも、死んでいるものにも、

動物たちにも、植物にも、金や鉄、石などの鉱物たちにも、



『死んでしまったバルドルの為に、

 悲しみの涙を流してくれるか?』



そう訊ね歩いたのでした。



少し前に、バルドルの母フレッガが、

傷つき、ボロボロになりながら、

世界中の ありとあらゆるものたちに、

バルドルを傷つけないでと懇願し、

誓いを立てた時と同じように、今度は、

あらゆる物質が、あらゆる生き物が、あらゆる死体が、

バルドルが死んでしまったという、事実を知り、

驚き、悲しみ、むせび泣くのでした。



は、驚きました。

驚きと悲しみのあまり泣きわめき、

大粒の涙をボロボロと流し、

自分の身体の炎の半分を、消してしまったほどです。



石も泣きました。

大地も、木々も、あらゆる病気も、

鳥も、獣も、泳ぐように動く蛇たちも泣きました。



この世は、多くのものたちが流す涙で、

まるで霧がかかったかのように、見えたほどでした。




ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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