愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『バルドルの死 23』
ロキの姿が見えなくなったと同時に、
静寂は破られました。
余りの悲しみに耐えきれなくなった1人の女神が、
肩を揺らし、声を押し殺してすすり泣き始めたのです。
その小さなすすり泣きが、周囲の涙を誘いました。
やがてその場にいた多くの神々が、泣き始めたのです。
神々の王オーディンも、その夜は
このグラズヘイムで皆と楽しんでおりました。
そして彼の息子が殺害される所をも、見ていたのです。
一つしか目の無い、この知識を多く持った神は、
先を見こして、誰よりも深く、憂えてしまいました。
これは神々と、人間たちが被(こうむ)った
最大の不幸だと云う事を、王は理解したのです。
バルドルの死によって、もう一方の息子ヘズも、
必ず復讐される運命にあるのです。
それも、また王の息子の手でと、定められているのです。
その時です。
最初に、口を開いたものが降りました。
バルドルの母、フレッガです。
フレッガだけが、この後のヘズの運命をも知っています。
『だれか・・・
誰か、ここにいる中に、
私の愛と、光、
そして全ての恵みを得たいと、願う者はおりませんか。』
死者を悼んでいた神々は、一斉にフレッガを見つめました。
『冥界まで、危険で長い道のりを行って
バルドルを探し、連れ戻してくれる者は誰かいませんか。』
その声に、多くの女神たちがむせび泣きました。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
