愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『バルドルの死 17』
このずる賢い神、ロキは、
そっと紛れ込んだグラズヘイムの中に、
誰が来ているかを見渡しました。
すると先ほど、老婆に扮しながら話をした、
バルドルの母のフレッガの姿があったのです。
それを見たロキは、母親の目の前で
息子が傷つけられる姿を想像すると、
余りに嬉しくて、笑いを必死にこらえるのでした。
さらにロキは、他には誰が居るかを
ゆっくりと、周囲を見渡し探したのです。
すると壁際に、盲目のヘズの姿を見付けたのです。
盲目だけれども、皆から愛されるヘズ。
光り輝くバルドルの弟の、ヘズ。
ロキはバルドルの弟の姿を見付けた時、
思わず唇をきゅっと結び、
『皆から愛される神を傷つけるのは、
彼の、愛すべき弟が良い。』
そう思いついたのです。
その時、バルドルには、大きな岩が投げ付けられていました。
そしてその岩は、バルドルの腹に当ったのです。
それを見たロキは、余りに大きな岩が当たったと、
驚き、痛がる振りをして身体を折り曲げました。
そして少しの間、まるで痛くて痙攣でもしてるかのように、
身体をひくひくさせながら、
自分の邪まな思い付きが、余りに素晴しく思えて、
腹を抱え、声を殺しながら大笑いしたのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
