愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『バルドルの死 15』
ロキは更に薄れていく光の中を、
楽しげに口笛を吹きながら、
ヴァルハラ(オーディンと勇者の館)の
西へと西へと進みました。
やがてロキの目の前には、森が現れました。
ロキは、この真っ暗な森の中に、
躊躇すること無く、入って行ったのです。
そしてそこで、土にも、水にも根を生やさぬもの。
それを目を凝らして探し始めたのです。
やがて深い森の奥で、ロキは、それを見付けました。
1本の大きな樫(かし)の木の幹のくぼみから、
小さなそれは、生えていたのです。
バルドルの母、フレッガと
バルドルを傷つけないという誓いを、
交わしていない、たった一つのもの。
ずる賢い、この神は、とうとう
バルドルの息の根を止める道具を、見つけ出したのでした。
そのたった一つの、約束を交わしていないものの実は、
ほのかに淡く輝いておりました。
葉は緑や黄色に輝き、
茎や枝は細い、まだ小さく若いものでした。
ロキは、この若いヤドリギを掴むと、
樫の木の幹から、一気に引っこ抜きました。
そしてそれをぶら下げて、意気揚々と森を出て、
神々が集うグラズヘイムの方向へと歩き出したのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
