愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『バルドルの死 14』
フレッガの館フェンサリルから出た、ロキの老婆は、
まるで身体が怠く痛いかのように、大仰に振り返ると、
まだフレッガが、こちらを見てる事を確認したのです。
そうやって、フェンサリルから少し遠ざかるごとに、
振り返っては、周囲を見渡し、
誰もいない場所をロキは探し続けました。
そしてとうとう、誰も近くにいないことを確認すると、
呪文を呟きながら、元のロキの姿に戻ったのです。
ロキは、この時、まるで勝利をつかんだかのように、
大喜びをしたのです。
やがてアースガルドの野原にも、夕刻が迫っていました。
太陽の乗る戦車は、もう間もなく西の彼方へと去り、
入れ替わりに、夜の戦車が東からやって来るでしょう。
動物たちは、夜のとばりが降りる前に、
身体を寄せ合い、群れをなし始めたものたちもいます。
東の空には、濃い濃い青色が広がってしまいました。
そして全ては黒い帯で、包まれて行くのです。
とうとう夜が、戦車に乗ってやって来たのでした。
ロキは、この時を待っていました。
神々の集会場、グラズヘイムを通り越し、
急いでヴァルハラ(オーディンと勇者の館)の方へと行き、
その前を通りながら、
エインヘルヤル(死んだ勇者たちの魂)の雄叫びが
聞こてくる度に、にやにやと笑いが止まらなくなるのでした。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
