愛しい息子の死が、どうしても避けられないと知った母フレッガ。
フレッガは何としても、息子の死を避けるために、
世界中の全ての動植物、そして形なす物、姿無き者に至る全てのものに
息子の命を奪わないことを誓わせたのですが・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『バルドルの死 9』





そんなある日の午後の事です。



いつものようにロキは、

神々の集会場、グラズヘイムの扉に寄りかかり、

皆がやっている競技を、今日もぼんやり眺めておりました。



その時、ロキの瞳が、青や赤にギラギラと光り出したのです。

忙しげに、目玉はぐるぐると動き、

穴だらけの唇を大きく開き、

鋭く尖った歯を大きく見せ、ニタニタと笑い出したのです。



それからのロキは、人目に付かない様に、

賑やかな この場からそっと離れると、急ぎ足で、

バルドルの母のフレッガの館の方へと向ったのでした。



近くまで来ると、ロキは注意深く周囲を見渡しました。

そして誰もいないことを確かめると、

呪文を唱え、ロキは年老いた女性に変身したのです。



そこからはその姿で、

フレッガの館のフェンサリルへと、向かったのでした。



ロキは、扉を叩きました。

すると彼が望んだように、

フレッガは今、1人で館で、寛いでいたのです。



フレッガは、見知らぬ老婆にも

親切にしようと、家の中へと案内しました。



部屋の中の椅子にフレッガは腰かけると、

老婆へも腰かける様、椅子をすすめました。



ロキの老婆は足を引きずり、

垂れてきた鼻水を、手の甲で拭き取ると、

その手を汚れた服に擦り付けながら、



『あたしゃ、今、何処に居るんだい?』



と、尋ねたのです。



フレッガは椅子から立ち上がって、

ここはオーディンの妻の家だと伝えました。




ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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