アースガルドで一番美しい神、バルドル。
皆から愛されるこの神は、もう何日も悪夢でうなされ衰弱しておりました。
バルドルの父オーディンと母のフレッガ、そしてアースガルド中の神々は、
悪夢から、この美しい神を救う為の話し合いをするのです。




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『バルドルの夢 6』





オーディンは、最後の質問を

女の預言者に投げかけました。



『女預言者よ、お前はここに留まり、

 わしの聞くこと全てに、答えねばならぬ。

 バルドルの殺人者を、積まれた薪の上に乗せた時、

 哀悼の歌を唄い、

 悲しみのスカーフを空に放つ乙女は、一体誰なのか?』



すると女の預言者はこう答えるのです。



『う・・・ううう、私はお前が誰だか、今わかった。

 お前はオーディン、そうであろう。

 アースガルドの王、神々の王のオーディンだ。

 ううう、オーディンよ、

 私は、お前が思っている預言者(ヴェグダム)ではないぞ。』



それを聞いて、オーディンも答えます。



『それならば、私もお前の事は良く知っているさ。

 お前は預言者でも、賢者でもない。

 そう、お前はあの忌まわしい3人の怪物の母親だ!

 忌まわしい3人の怪物の父親、ロキの女房だとも!

 怪物の1人、ここ冥界の管理者、ヘルの母親だ!』



そう言うとオーディンは、女預言者を睨みつけました。

女預言者の亡霊は、



オーディンよ、乗ってきた馬に跨り、

 今すぐここから帰るが良い。

 そしてお前の自慢の馬術で、急いで神の国に帰る事だ!』



そう憎しみをこめ、高らかに笑うと、



『いずれ私の夫、ロキは、

 お前たちによって繋がれた足枷を外し、自由になるのさ。

 そして全ての闇の勢力が、

 光り輝くお前たちを、すっかり飲みこむ事となるだろうよ。

 神々の最後の時、ラグナレクの前に、

 全ての闇の勢力が集結するまでは、

 もう二度と、誰も、

 この私の、安らかな眠りを覚ますことは出来ない。』



そう満足げに、青ざめた預言者の亡霊は叫ぶと、

徐々に霞みながら、自分の墓の中に、

吸い込まれるように沈んでいきました。



オーディンも又、預言者の言う様に、

スレイプニルに跨ると、

美しい息子バルドルを殺すのが、

これも又、自分の息子であると知り、

重い心のまま、アースガルドへと帰って行くのでした。



『バルドルの夢』 おしまい。




- 追 記 -



これで 『バルドルの夢』 は終わりです。  悲しく、暗いお話しでした・・・。

しかし明日からは、この続き・・・『バルドルの死』 です。

美しい神がどうして死んでしまうのか。 また読みに来て下さいね。



ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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