巨人退治からの帰路、トールの前に瀬戸が現れました。
何とか冷たい水に浸からずに、対岸へと渡りたい雷の神トール。
対岸にいる渡し舟の船頭に、舟を出して欲しいと伝えたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ハルバルドの呪い 13』
さんざん暴言を吐いたハルバルドに、
トールは、お前は命を落とす事になると叫びました。
すると間髪を入れず、船頭は
『そうそう、トールよ。
お前の美しい妻のシーフは、
お前が留守の間に、楽しそうな気晴らしをしているぞ。
あの女神には、愛人が何人もいるのさ。
お前のその馬鹿力は、
その愛人どもを蹴散らすために、取って置くが良いよ。
そっちの方が、わしを殴るより、
全くもって、有意義というものさ。
あはははは。』
と再び、毒のある言葉を投げつけました。
『知恵の足りない、大馬鹿者め!
お前はその毒を吐く、口を閉じておくが良い!
その法螺ばかりを語る舌を、口の中に閉じ込めて置け。
お前は、なんて底意地の悪い、嘘つきなんだ!』
トールは怒鳴り散らしました。
大笑いしながら、船頭のハルバルドは、
少しの間、話をするのを休みました。
そしてそのギラギラした眼で、水面を覗きながら、
『違う! 違う! 違う!
わしは本当の事しか言わないぞ!
お前はどれだけ長い間、
この瀬戸を渡るのに、手間取ってるんだい?
ここにある、わしの舟で渡っていたら、
今頃、お前は、半分は渡っていただろうに。
お前はなんて、のろまなんだい。』
と、自分が渡し船を出してやらないのを棚に上げ、
トールをのろま扱いしたのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
