巨人退治からの帰路、トールの前に瀬戸が現れました。

何とか冷たい水に浸からずに、対岸へと渡りたい雷の神トール。

対岸にいる渡し舟の船頭に、舟を出して欲しいと伝えたのですが・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『ハルバルドの呪い 12』





トールは、余りに酷い侮辱を受け、

どこでそんな汚い言葉を知ったのかと、

ハルバルドに尋ねたのです。



『ふふふ、わしはな人間たちから学んだのよ。

 故郷の丘に住む、年老いた人間たちからさ。』



トールは驚きました。

腹は、もの凄く立っているのですが、

この船頭は、人間から悪口とは言え、

多くを学んだと言ったのです。

人間と親しくしている事が、

トールには、とても羨ましく思えたのです。



トールは、腹を立てるやら、羨ましいやらで、

自分自身が判らなくなってしまい、

そのモヤモヤを払うために、頭を振りながら、



『ほぉ、故郷の丘だと?

 お前はいずれ、お前も入るだろう墓に、

 故郷の丘とは、良い名を付けたな。』



皮肉を言ってみました。

更にトールは、一呼吸おいて



『船頭よ、お前は毒のある言葉を、俺に散々吐いた。

 もしも俺が、この川を歩いて渡ると決心したら、

 お前は直ぐに、命を落とすことになるだろうよ。

 そしてお前は、このミョニルで殴られた、

 巨人の息子共の狼よりも、

 余りの痛みに、大声で泣きわめくことになるんだ。』



と大声で叫んだのでした。




ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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