巨人退治からの帰路、トールの前に瀬戸が現れました。
何とか冷たい水に浸からずに、対岸へと渡りたい雷の神トール。
対岸にいる渡し舟の船頭に、舟を出して欲しいと伝えたのですが・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ハルバルドの呪い 11』
トールを非難する、ハルバルドに向かい、
『あいつらベルセルグは、女であっても、
邪悪な蛇の目を持つ、狼どものようだった。
あいつらは、俺の帆をたたんだ船を
突然、こん棒を振り上げて襲ってきたのだ。
驚いたシアルヴィは逃げ出してしまった。
そう言うお前は、その頃何をしてたのだ。』
そう抗議をしながら、再び船頭に尋ねます。
『わしらはな、軍旗を掲げ、
槍を血で赤く染め上げる為に、
アースガルドの国境へやって来た、軍勢の一員だった。』
それを聞いたトールは、耳を疑いました。
『お前は、アール神たちと、戦うつもりだったと云うのか?
それをこの俺に、話をするのか?』
『あはは。トールや、わしがお前に指輪をやろう。
それが有ったら、お前はイライラなんてしなくなるよ。
その指輪が、わしとお前の仲を、仲裁をしてくれるよ。
その指輪は、わしとお前の結婚指輪だよ。
わしがお前に乗ったらな、わしとお前は仲良くなれるよ。
お前はわしの女になるんだからな。
あーははははは。』
船頭は、トールに有り得ない侮辱をしたのでした。
トールは余りに腹が立ち、地面を蹴りました。
サッと、砂利や砂が舞い上がり、
鏡のように静かな水面に、
まるで雨や、霰が叩き付けるように、
ばらばらと音を立てたのでした。
それと同時にトールは、
彼の武器ミョニルを、しっかりと握りしめ、
『どこでそんなに汚い言葉や、悪口を覚えたのだ。
俺はこれまで、こんなに酷い侮辱を受けたことが無いぞ。』
そう叫んだのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
