巨人退治からの帰路、トールの前に瀬戸が現れました。

何とか冷たい水に浸からずに、対岸へと渡りたい雷の神トール。

対岸にいる渡し舟の船頭に、舟を出して欲しいと伝えたのですが・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』    前回の記事 『ハルバルドの呪い 10』





トールよ、わしらは喧嘩をしているんじゃないんだぜ。

 ところでトール、お前は女巨人を倒した後、

 次は何をしたのさ。』



『俺は、更に東へと進んでイヴィングの岸に着いた。

 そこで、巨人のスヴァーラングの息子たちが、

 俺に運試しの戦いを挑んできたのさ。』



トールは、ここで話をやめ、突然しゃがんだのです。

そして大きな丸い石を掴み上げると、

対岸のハルバルドへと投げつけました。

大石は、風を切り、唸りをあげながら、

瀬戸の向こうへと飛んで行きます。

ハルバルドは慌てて、石を避けました。

それとほぼ同時に、

ドカンと大きな音を立て、大石は岸にめり込みました。



トールは、大声で笑いながら、



『そんな風に、スヴァーラングの息子たちは、

 俺に石を投げつけ、俺が倒せるか運試しをしたのさ。

 俺に運試しの戦いを挑むなんて、大した奴らさ。

 しかしな、俺が倒れないから、

 奴らは戦いをやめたいと、泣いて言ってきたのさ。

 ところで、ハルバルド

 お前はその間、何をしてた。』



『わしも東の方に居たさ。

 わしはその頃、亜麻色の美しい女に魔法をかけ

 わしに夢中にさせ、密かに逢瀬を楽しんでいたさ。

 その間、トール、お前は何をしていた。』



『俺はその頃、海神の島フレスエイに居た。

 そして邪悪な蛇どもの使い手の

 女のベルセルグどもを退治していたのだ。』



するとハルバルドは、



『この女殺しめ!恥を知れ!

 お前は自分で自分に、泥を塗ったのか。

 この女殺しめ!』



と、容赦なく女を殺したトールを非難したのです。




ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪

おしまいっ
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