巨人退治の為に、雷の神トールはアースガルドから出かけている事が多く、
雷の神が留守の間、アースガルドを守るのは、神々の王オーディンの役目なのです。
しかしアースガルドの中にばかりに居るオーディンは、徐々に退屈になって来たのでした。
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『トールと巨人の決闘 27』
トールの息子で、
生まれて3日目の赤ん坊、マグニのお蔭で、
背中を押さえつけていた、巨人の足は退かされ、
身体が動かせるようになったトールは、
『マグニ、お前はまだ赤ん坊なのに、大したものだ。
このまま、大きくなったら、
もっともっと物凄い力持ちになれるぞ。』
と、息子に言いながら、鉄の手袋をしたままの手で、
息子の肩を抱きしめたのです。
『ふふ。お母さんは、ヤルンサクサ、鉄の短剣だし、
お父さんは、雷の神。
僕は、その二人の息子だもんね。』
そう言いながら、赤ん坊のマグニは
にこやかに笑うのでした。
『いや、俺やヤルンサクサ(赤ん坊の母親)よりも
もっともっと強くなるが良い。
そうなれるよう、俺はお前に戦利品をやる。
この巨人の金の鬣(たてがみ)の馬、グルファクシを
お前の馬に贈ろう。』
トールは、息子へ大きな声で伝えたのです。
すると、神々の王オーディンが、
『だめだ、だめだ。そんな事を勝手に決めてはだめだ。
トール、お前はその素晴らしい馬を、
お前の父に譲らないでどうするのだ。
そんな女の巨人の息子に、
そんなにも優れた馬を くれてやる必要はない。』
と、馬を巡って、大反対をしたのです。
しかし、トールは父であり神々の王オーディンの言葉を、
全く気にする事はありませんでした。
シアルヴィに金の鬣の馬、グルファクシを連れて来させると、
赤ん坊のマグニに、その馬を手渡し、
自分は、他の神々とシアルヴィに付き添われて、
アースガルドへと戻って行ったのでした。
しかし神々の王で、トールの父親であるオーディンだけは、
戦利品の馬を、自分の物に出来なかったと、
帰路につきながら、恨み言を呟いていたのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
