恋多き、 美しい女神フレイヤの、 人間の恋人オッタルは、
実の兄アンガンチュールと、 父の遺産を巡る争いをしておりました。
兄弟は、 この争いを決着させるべく、 祖先の名を交互に言い合い、
『言えなくなった方が負け』 という、 賭けをしたのです。
何としても、 恋人に勝利をもたらしたいフレイヤは、
女の巨人ヒュンドラを訪ね、 兄弟の祖先の名を聞き出そうと・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ヒュンドラの詩 3』
のそのそと洞穴から這い出たヒュンドラは、
美しいフレイヤに、
『何をくだらないことを言ってるんだい。
お前は一体何様だ。
いつも言い訳と、口約束ばかりだ。
お前は、私の目を真っ直ぐに見ようとさえしない。
いいや、目を見られないのさ。
だってそうだろ。
その猪だって、本物じゃない。
それは、お前の人間の愛人の、オッタルだろ。
インステインの息子、オッタルだろうよ。
フレイヤ、お前は、お前の若い愛人にまたがって、
オーディンが居る、ヴァルハラに行く途中なんだよ。』
というと、フレイヤは、
『まぁ酷い、でたらめばかりを。
オーディンの居る、ヴァルハラに行く途中で、
私が愛人と共に居るだなんて、
しかもそれを猪に化けさせているだなんて、
神の名誉にかかわることですよ。
この猪の名は、ヒルディスヴィニ。
金細工職人の小人、ダーインとナッピが
作ってくれた、黄金の剛毛を持つ猪ですよ。
この黄金の毛が、夜道でさえも明るく照らし、
道を私の為に、しめしてくれるのですよ。』
そう答えました。
ヒュンドラは、フレイヤを見つめたまま、
何も言葉を発しませんでした。
フレイヤの話しに、あきれ果て
もうこれ以上、何も話したくも聞きたくも無いと、
自分のねぐらの洞穴へ、もどろうとしました。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
