動物たちが愛を育み、活動的になる暖かい季節は、
9つ全ての世界の者たちが、心待ちにしている狩猟の時でもあります。
そんな季節に雷の神のトールは、巨人を退治しようと、
悪戯者のロキと共に、巨人の国の首都、ウトガルドを訪れるのです・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ウトガルドで技競べ 52』
ウトガルド・ローキの話を聞くうちに、
トールは驚いたり、安心したり、
悔しさに落胆したり、
あげくの果てには、このウトガルドの王に対して、
怒りが込み上げてきたのですが、
この場では、堪えようとジッと王の話を聞きました。
『トールよ。
お前の仲間たちが、俺の家来たちと、
技を競う時にも、俺は魔法をかけた。
最初はロキだ。
ロキは早く、沢山の肉を食べたよ。
あんなに早食いの巨人は、恐らくいないよ。
でもな、お前たちが見ていた、
巨人のローギの姿は、幻なんだよ。
ローギの正体は、肉体なんか無い「炎」だったのさ。
ロキは、炎と戦ったんだよ。
ロキは、一所懸命に食べ進んで行ったが、
炎は、全てを燃やしながら進んだ。
進む速度は同じだったが、全てを焼き尽くす炎に、
ロキが勝てるわけは、無かったんだよ。』
そう言うと、ウトガルドの王は、
トールとロキを眺めました。
そして更に続けます。
『それに人間の子供のシアルヴィの競争相手も、
その実体は、肉体が無い物さ。
巨人の若者の姿をした「フギ」も、
「炎のローギ」同様に幻なのさ。
フギの実態は、この俺の「思考」さ。
シアルヴィが走るより早く、
俺が「思考回路」を早く巡らせて、
フギを出発地点から、ゴールの木へ到着させたのさ。
考える速さは、実際に走るよりも、
ずっと早く、勝っていたのさ。
だからどんなにシアルヴィが、
早く走ろうと頑張っても、
勝てるはずがなかったのさ。』
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
