動物たちが愛を育み、活動的になる暖かい季節は、
9つ全ての世界の者たちが、心待ちにしている狩猟の時でもあります。
そんな季節に雷の神のトールは、巨人を退治しようと、
悪戯者のロキと共に、巨人の国の首都、ウトガルドを訪れるのです・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ウトガルドで技競べ 43』
『チビなのに、山の様に大きな猫をよく持ち上げた。』
と、小馬鹿にされ、あざけ笑われてしまったトールは、
『何とでも、俺の事を好きに言えばいいさ!』
そう怒りを、あらわにし
『今すぐに、ここで誰かと戦いをさせろ。
誰か選手を出して、この俺と素手でさせろ。
取っ組み合いの戦いだ!』
トールは、何もかもに敗れてしまい、自分が情けなく、
また馬鹿にされたことが悔しくて、我を忘れてしまいました。
ウトガルドの王は、椅子に座ったまま、
周囲の巨人たちをぐるりと見渡しました。
『トールよ、お前と相撲をさせる為に、
ここに居る誰かを指名することは、
俺はしたくないね。
チビのお前に勝ったとしても、
ここに居る連中は、ちっとも嬉しくない。
勝ったとしても、何の自慢にもなりゃしないからな。』
そうニヤニヤしながら、巨人たちの顔を眺めていました。
トールはこの時、どうやったら自慢の武器ミョニルを使い、
この巨人たちを、驚かせることが出来るか?
その事ばかりを考えながら、歯ぎしりをしていたのです。
『待て待て、良い考えがあるぞ。
俺の乳母のエリーを連れて来い。
それが良い、年寄りの乳母のエリーだったら、
どちらが勝っても負けても、
巨人の男たちの名誉は傷つかんからな。
誰か、急いでエリーを探して来い!』
ウトガルドの王は家来たちに、乳母を探す様に伝えると、
周囲の巨人たちは、くすくすと笑い始めたのでした。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
