動物たちが愛を育み、活動的になる暖かい季節は、
9つ全ての世界の者たちが、心待ちにしている狩猟の時でもあります。
そんな季節に雷の神のトールは、巨人を退治しようと、
悪戯者のロキと共に、巨人の国の首都、ウトガルドを訪れるのです・・・
お話しの始まり 『北欧神話 1』 前回の記事 『ウトガルドで技競べ 38』
大牛の角でできたグラス『角杯』が運び込まれると、
ウトガルドの王は、それをトールに渡しました。
そして召使いに、酒を注ぐよう促したのです。
『この大牛の角杯の中の酒を、
1息で飲み干した者は、この国では英雄だ。
殆ど、そんなことをできる奴はいない。
しかし2口で飲み干せる奴は、数人はいる。
だがな、3口でも飲み干せないほどの弱い奴は、
この国には1人もいないぜ、トールよ。』
召使いに酒を注がせながら、
そうこの国の王は、ニヤニヤとトールに語ったのです。
トールは渡された、大きな角杯を見ました。
少し長い角だな、そう思ったのですが、
トールは、この角杯よりももう少し大きな杯で
たっぷりの酒を、一口で飲み干したことがあったのです。
それにこの時、トールの喉は乾ききっているうえに、
まともな物を数日食べていませんから、
腹もとても空いていたのです。
トールは手に持っている角杯を、傾けると
目を閉じ、一気にあおったのです。
この量なら、一息に飲み干せると思いながら、
酒を喉に流し込むトールでしたが、
まだ飲み切る手前で、息が続かなくなってしまいました。
『ふぅ。』
そう息をもらしながら、
トールは角杯の中を覗き込んだのです。
ここまで読んでくださって、ありがとでしたぁ♪
おしまいっ
